語り継ぐため歩いてる

もうすでに

明日のことが懐かしい

前を向いて歩いてる

今の自分が懐かしい

語り継ぐ唄を手にもって

語り継ぐひとを探してる

ひとつの本能

だれかのためにと

おもうことも

ひとつの本能

無いと飢える

太鼓のリズム

こんなに大きな動物も

こんなに小さな動物も

トコトコ刻む太鼓のリズム

すやすや眠っているときも

ぴょんぴょん跳んでいるときも

トコトコ刻む太鼓のリズム

やさしくまるいトコトコトも

強く弾んだトコトコも

トコトコ刻む太鼓のリズム

みんなもってる太鼓のリズム

大人って誰のこと

大人って　誰のこと

かすかにいつも震えている

カバンの中の不安を

無駄に飾りたてもせず

時々洗って乾かして

淡々と暮らしている

覚悟を決めた人のこと

赤毛のアンを覚えていますか

赤毛のアンを覚えていますか

そばかすも赤毛のおさげも
アメジストのブローチも　
パフスリーブの流行も
素敵なところだけれど


かんしゃく持ちで大げさで
芝居がかっていることが
小さなアンが生き抜く為に
絶対必要だったんだと
おとなになって知りました


名前のスペルが特別なこと
いつも主張しているのは
アンの宝ものだから
お父さんとお母さんが
残してくれたプレゼント


曲がり角のその先に
何があるかわからないから
曲がり角が大好きだ
わくわくするから好きだって
赤毛のアンは言いました


小さなアンはたった一人で
どんなことが起ころうと
この世に失望しないぞと
宣言しながら生きていたんだと
おとなになって知りました


見えない曲がり角の先に
本当にアンの家がありました


赤毛のアンを覚えていますか


無鉄砲で
きれいなものが大好きで
勇気あるこども


赤毛のアンを覚えていますか

遠くにみえる山なみも

遠くにみえる山なみも

この世にあるかぎり

ふるふると揺れているものだ

大きな大きな生きものたちが

緑の生きものの家となり

ときどきかたちを変えながら

ふるふると揺れている

朝日をはなち揺れている

夜にとけこみ揺れている

遠くにみえる山なみも

同じところにとどまらず

ふるふると揺れている

ほんとの時間

あと何回寝たら

遊園地に行く日

あと何回寝たら

誕生日

あと何回寝たら

特別な日

それが生きているものの

ほんとの時間

みんながみんなもってる時間

カレンダーには書けない時間

あと何回寝るか

誰も知らない

みんながみんな誰も知らない

樹の唄

夜になると

樹はそれぞれの言葉をかたりはじめる

どの樹も異なる唄をもつ

刻々とかわる空と風

ゆきかう人々

定点の思い出が

織り込まれた　樹の歌

おこりんぼう

あんまりこころぼそくって

おこりんぼうになっちゃった


きをつけるんだね　こどもたち


あんまりはらがたちすぎて

おこりんぼうになれなくなった


きをつけるんだね　おとなたち

出発です

さてさて　

この空模様

降ろうが晴れようが

二枚のカードの

どちらをひいても

吉も凶もありません

新しい場所にいくことで

知らない自分に出会うだけ

深呼吸したら　出発です

わたしの靴

靴をさがしているんです

すてきな靴を勧めてくれてありがとう

でも　わたしはさがしたいんです

長い旅を支える靴

嬉しくてスキップしてしまう靴

迷って足踏みできる靴

追いかけて走る靴

悲しくてひきずる靴

立ちどまり空をみあげる靴

ほほえむ靴

くたくたに色が抜けても

ぼろぼろに傷がついても

大好きなわたしの靴

ちょこっと

ちょこっと　なら　できそうだと考え

ちょこっと　に　ついて　決意する

ちょこっと　ただのちょこっと　だけど

その　ちょこっと　を完結させるために

真剣に　ちょこっと　の覚悟をする

この世界のなかでの　ちょこっと

この時間のなかでの　ちょこっと

ちょこっと　に　おいて　誓う

ちょこっと　を　生きる限り　貫く



　

この世は無理なことばかり

なかった事にしたくても　無理

ほかの生きものになるのも　無理

この世は無理なことばかり

そして　おんなじことだけど

完全に壊れることも

影も形も無くなることも

たぶん　無理　無理なんだ

日々壊れては修復し

違うかたちになり続ける

見えない真ん中守るため

もらった灯で照らすため

お休みのすごしかた

行き先決めずに旅に出る

朝の気分で旅に出る

いちにちだけの旅に出る

目的なんかないけれど

すてきなことを一つだけ

余白だらけの遠足で

珈琲一杯飲もうかな

おみやげ一つ選ぼうか

好きな樹一本探そうか

散歩の途中の風がいい

気ままに歩ける靴がいい

目的遂げる旅でなく

旅を楽しむ旅がいい

再会

わたしたちは　

いつも

再会しています

はじめてのような顔をして

細胞よりも小さなものが

おぼえています

千年前に出会ったことを