ぐらぐらしないりゆう

ぐらぐらしないことに

りゆうがあるのなら

ちいさくゆれているから

かぜをかんじているから

ときどきふりかえるから

ぐらぐらしてもへいき

そうおもっているから

あちこちとことこさんぽして

あちこち

とことこ

さんぽして

咲いた花をみつけたり

しらない小道をためしたり

いろいろ点検していると

いつもの猫とすれちがう

そろそろ

風がかわったよ

季節が旅をしているよ

あちこち

秋にしていくよ

あちこち

とことこ

さんぽして

旅する鳥をさがしてる

流れる雲をみあげてる

ゆらゆらきらきら瞬いて

この世にはまだいないひと

この世にはもういないひと

いまこの世にいるひと

すべてのひとのそのなかに

みえるちいさな結晶が

ひとときたりともとまらずに

ゆらゆらきらきら瞬いて

星といっしょにまわります

なにもなくなることはない

きえてなくなることはない

ゆらゆらきらきら瞬いて

星をつつんでうたいます

金木犀咲いたね

金木犀

咲いたね

電車にのって

ちがう駅におりて

それでも

おなじ香りがするね

時計は

たしかにすすんでいるね

咲いたね

おめでとう

会えたね

ありがとう

あたりまえのことだけど

やっぱり

受けとるだけじゃ

つまんない

あたりまえのことだけど

みつけたい

つくりたい

つたえたい

あたりまえのことだけど

いちばん楽しいことなあに

いちばん楽しいこと

なあに

ちいさなこどもに戻って

正直に言ってごらん

忘れてしまったなら

思いだしてごらん

得意なことじゃないよ

目的なんかいらないよ

多数決じゃないんだよ

いちばん楽しいこと

なあに

あたらしいことおきるのかもよ

バスに遅れてすわっていたら

むこうの空に虹が出た

行きたいところはあるけれど

ゆっくり行くのもいいかもよ

わすれものして

戻ろうとしたけど

ほんとはそれはいらないかもよ

からっぽにして

風を待ったら

あたらしいことおきるのかもよ

よりみちしながらすすんでいけば

どこかでともだちできるのかもよ

憧れの火

憧れに

点火する

薪をくべて

火をそだてる

憧れに手をかざし

からだをあたためる

雨や風からまもり

憧れの火を

つぎにわたす

うそつきになるな

きらいなことを

すきだなんて

言っちゃいけない

うそつきになるな

じぶんのこと

きらいになるから

すきなものまで

わからなくなるから

うそつきになるな

どんなくだらないことでも

すきなことを

にぎりしめて

あるいていくんだ

てくてく

てくてく

とぼとぼ

ときどき

いらいら

てくてく

うきうき

ときどき

はらはら

てくてく

ちくたく

ときどき

きらきら

言葉はたからもの

言葉は

ひとつでも

きれい

つなげても

すてき

かさねても

おもしろい

くみあわせを

かえるのが

たのしい

ときどき

てのひらのうえ

ころんとひとつ

じっとみつめる

言葉は

おおむかし

うまれた

たからもの

かたりつがれ

ここまでとどいた

たからもの

ちいさな池

そこには

ぽっかりと

さみしくあかるい

鏡のような

ちいさな池がある

空をうつし

風にゆれて

時とともに

水はあたらしくなる

空はひとつなのに

うつる空は

その池だけの色

そこには

ちいさな

ひとりぶんの

池がある

じぶんに

いままでの

じぶんを

ねぎらい

これからの

じぶんを

はげまし

いまの

じぶんと

あくしゅする

ふたたびの

山のむこう

海のむこう

時のむこう

むこうに咲くのは

なつかしい花

ふたたびあうため

みしらぬ道をえらび

はじめての国へいく

それだけでいいよね

だれかのためにとおもうと

かんちがいすることもある

じぶんのためにとおもうと

いがいとやるきはおきないものだ

せいめいいじのためにこきゅうしている

とかんがえるといきぐるしいけど

しらぬまにいきをしている

いつのまにかわらっている

いっしょにいるひとが

そのときわらっていたら

それだけでいいよね