なぞなぞ

ちいさければ

ちいさいほど

重くなるもの

なあに

ちいさければ

ちいさいほど

たいせつなもの

ちいさければ

ちいさいほど

いとしいもの

なあに

冬に咲く花

冬に咲く花

つめたい霜も

北風も

花のみかた

白い雪も

つららも

花のともだち

道はわたしにつくらせて

出来上がったものじゃ

いやなんだ

選んでもらったら

意味がないんだ

目の前に揺れる草木を

野生の花を

名も知らぬ実を

てつかずのまま

道はわたしにつくらせて

まるい月

ごらんよ　天の頂きを

冷たい夜に磨かれた

ぴかぴか光るまるい月

これはみごとなまるい月

猫も小鳥も人間も

そのしたにいる生きものが

月と無言でかたる夜

まるですべての母であり

まるですべての友であり

これはみごとなまるい月

あしたはどんなどんなかな

あしたはどんなどんなかな

あしたはどんな色かしら

あしたはどんな音かしら

あしたはどんな味かしら

あしたはどんな喜びと

あしたはどんな悲しみと

あしたはどんなどんなかな

跳びはねたくなることがあり

憎しみ感じることがあり

あしたはどんなどんなかな

どんな花がひらいては

どんな花が枯れてゆき

あしたはどんなどんなかな

赤い

手袋赤い

木の実は赤い

もみじは赤い

林檎は赤い

リボンは赤い

おひさまのした

まぶたをとじる

見えてる色は

赤い　赤い

雫の旅

水も氷も光も

家も路も街も

人も鳥もすべて

一滴の雫のように

かたちを変えて

ゆらめきふるえ

一瞬もとまらず

旅をする

ひとこえ鳴いた

一羽の鳥が

ひとこえ鳴いた

からだのなかに

埋もれた火が

あかるくひかりを

放ったときに

羽ばたくだけでは

たえられず

火を吐くように

ひとこえ鳴いた

樹はうたう

樹は　風と　うたう

樹は　鳥と　うたう

樹は　光と　うたう

樹は　水と　うたう

樹は　時間と　うたう

樹は　記憶と　うたう

樹は　いのちと　うたう

はんぶんの月 はんぶんのじぶん

はんぶんの月の

もうはんぶんは

いますやすやと

寝ています

もうじき目覚めるところです

はんぶんのじぶんの

もうはんぶんは

いますやすやと

寝ています

もうじき目覚めるところです

たんけん たんけん

ちいさなこどもが

はじめてのばしょで

たんけん　たんけん

そういいながら

おおよろこびで

はしりだす

だれでもあしたは

たんけん　たんけん

あたらしい日を

たんけん　たんけん

たんけんするため

やってきたんだ

おおよろこびで

たんけんだ

どんぐりひとつ夢ひとつ

落ち葉かさかさ鳴らして歩く

銀杏どこかに隠れてる

ポケットの中にあったのは

昔しまった宝もの

どんぐりひとつ夢ひとつ

もいちど握りしめてみる

落ち葉かさかさ蹴り上げて

白い光の道をゆく

ゼロじゃない

一歩も十歩も

変わらないけど

ゼロと一歩じゃ

ちがうだろ

自力の一歩で終わったら

生まれ変わっても

ゼロじゃない

からっぽになるまで

からっぽになるまで

使いきりたい

マヨネーズのびんも

終わるまでのじかんも

ああ　トマト　赤いな

小鳥というものは

小鳥というものは

まるで

はしゃぐタンポポ

呼びあう鐘の音

樹になる綿毛

ひなたのしずく

無邪気な火の粉