湖がひとつありました
一羽の鳥が飛んできて
ここに住もうと決めました
鳥がはこぶ木の実から
緑の木立ができました
ちいさな森ができたころ
動物たちも住みはじめ
夜にはいろんな音がして
湖に水を飲みにくる
はじめての顔がふえました
湖がひとつありました
湖をわたる風の道
森ができては樹がそだち
嵐で折れてまたのびて
月日とともに変わりゆく
一羽の鳥がきた日から
数えたことはないけれど
どれだけたったことだろう
おまえの羽がおとした綿毛
この水面でうけてから
どれだけたったことだろう