ひとは 持ちものにつけくわえる
ストラップ
ワッペン
刺繍
シール
ひとは 生きた時間につけくわえる
大すき
使命感
情熱
魔法
ひとは この世界に
ひとつになりたいと
強烈に思う
ひとは このじぶんに
愛着をもちたいと
強烈に思う
ひとは 持ちものにつけくわえる
ストラップ
ワッペン
刺繍
シール
ひとは 生きた時間につけくわえる
大すき
使命感
情熱
魔法
ひとは この世界に
ひとつになりたいと
強烈に思う
ひとは このじぶんに
愛着をもちたいと
強烈に思う
おおきな夕日
おおきな満月
今日はほんとに
おおきなまんまる
ふたつそろって
みごとなもので
おおきなまるい
地球のうえで
おおきなまるい
夢をみる
夢をみました
雪つもる路を
歩いていました
足跡をつけながら
ほの青い雪が
つめたく
きらきら
空の星も
つめたく
きらきら
きれいな冬の
夢をみました
星を見る
花火を見る
みずうみを見る
山を見る
雲を見る
鳥を見る
ひとを見る
時を見る
いまここで
見ているものを
どんなことも
つぎの景色への
橋にする
瞬くものは
生きている
ひとも星も街も
不安も希望も
鼓動も波も
ここからあそこへ
いまからこれからへ
瞬くことで送るのだ
瞬くことで巡るのだ
空のいろは青じゃない
絵具の青を塗るだけじゃ
決して空にはなりません
いくつも混ぜてつくっても
必死にいろを選んでも
そこでやめてはいけません
空はどんどん変わるから
夕暮れのいろ
夜のいろ
いまみえはじめたあの星も
あしたの姿はわからない
みあげるわたしが立つ位置も
旅の途中で変わるから
ついでじゃないよ
会いたいから来たんだよ
用事じゃないよ
このために来たんだよ
泳ぐ動物みたいに
飛ぶ動物みたいに
ほかにはないというかたちで
こうしてここに来たんだよ
ちいさな声
ちいさな音
ちいさな変化
ちいさな美
ちいさなものを
みつけて
あつめて
つたえて
ちいさなわたしは
ちいさないのちを
まっとうしたいと
思うのです
ちいさな星で
ちいさな世界で
ちいさな決意を
したのです
遠いところ
それは
遠いと感じてるところ
だよね
ほんとは
すぐにでも
たどりつけるところ
だよね
ほんとは
行くと決めたら
行けるところ
だよね
散歩して
場所の記憶をひろう
この路を歩いた人々の
さざめきをひろう
わたし一人てくてく
すずめ一羽ぴょんぴょん
散歩して
百年まえの物語の
ほそい切れ端をひろう
時間のモザイク
空間の影絵
散歩して
ゆらめき消える
木漏れ日をひろう
あのとき
窓から見た青空を
覚えておこうと思った
あのとき
あなたの顔を目を
覚えておこうと思った
新しい靴で歩く道に
くっきりできるわたしの影
歩いていくのだ
あとずさりせず
さまざまな景色を
覚えておこうと思った
こどもは走る生きものだ
ここからあそこまで
お母さんのところに行きたいとき
歩くなんて思いつかない
お母さんのあとをついてくときは
走っていたら追い越しちゃうから
跳びはねながら歩くのさ
ああひろいねおおきいね
空はほんとはおおきいね
ああたかいねあおいねえ
空はほんとにあおいねえ
月もお日さまも星の子たちも
おおきな空にうかぶもの
ああひろいねおおきいね
ひとも花も象も魚も
おおきな空の下にいる
まわる星からみる空は
ああひろいいねおおきいね