観覧車の頂上で
指で窓に落書きひとつ
飛行機雲
雪のひとひら
ひとつの言葉
なんにものこらないけれど
なんにもなくならない
観覧車はまわる
さざなみがたつ
風がうまれる
ひとは呼吸し
世界はうごく
観覧車の頂上で
指で窓に落書きひとつ
飛行機雲
雪のひとひら
ひとつの言葉
なんにものこらないけれど
なんにもなくならない
観覧車はまわる
さざなみがたつ
風がうまれる
ひとは呼吸し
世界はうごく
あなたはとってもちいさくて
いまではもっとちいさくて
だけどとってもおおきくて
こころをぜんぶひとりじめ
おもいでちいさくまるめても
ふわふわもどるふとんのように
おおきくなってしまうから
お月さま
あなたが見おろす世界は
変わりましたか
お月さま
ひとびとはおなじことを繰りかえし
おなじように泣き
おなじように傷をいやし
おなじようにほほえむ
どんなところでうまれたひとも
おなじようにあなたをみあげる
お月さま
たくさんのいのちは
あなたにみまもられて
旅をはじめてやがて去る
お月さま
今夜もまた
あなたからふりそそぐ
つめたいひかりの粒が
あたたかく世界をつつむ