今朝降った雪に
足跡をつける
あしたがくることと
似ているだろうか
花の名前を知らずに
種をまいて待つ
あしたがくることと
似ているだろうか
星のひかりをたよりに
地図のない旅をする
あしたがくることに
似ているだろうか
今朝降った雪に
足跡をつける
あしたがくることと
似ているだろうか
花の名前を知らずに
種をまいて待つ
あしたがくることと
似ているだろうか
星のひかりをたよりに
地図のない旅をする
あしたがくることに
似ているだろうか
たくさんの星がうまれて
たくさんの星が消える
一日が終わり
一日がはじまる
大昔出会った花びらが
かたちをかえて
わたしを待っている
そのとき聞かせる唄を
リュックに入れて歩く旅です
語りかけるのは
あのときすれちがった風
また会おうね また会おう
遠い昔
わたしが川に浮かべた
小瓶にいれた手紙が
いまだれかに届いた
白い蝶が教えてくれた
ひとひらの雪が教えてくれた
星がまわる
時がめぐる
そしていま
わたしはおもいだす
わたしたちはまた出会う
あしたはやってくるでしょう
目覚めることができるから
あしたはやってくるでしょう
ひとあしだけでも進むから
あしたはやってくるでしょう
手渡すものがあるならば
あしたはやってくるでしょう
どこかでいきなり途絶えても
言葉がひとひら風にのり
旅をしてからひとめぐり
誰かのところに届くから
うまれたときに見た星は
いまも空にいるでしょう
うまれたときに吹いた風
いまも旅しているでしょう
うまれたときに見たおひさま
いまもみあげればそこにいる
うまれたときにあなたを見ていた
この世界はここにある
かたちをかえて色をかえて
ふるえて揺れて変わりつづけて
それでもずっとここにある
闘いに見えなくとも
闘いなのである
街を歩くときも
眠りにつくときも
笑うことも泣くことも
闘いなのである
なにかをみつける
水脈か原石か
あたらしい物語か
なにかをみつける
終わるその瞬間まで
闘いなのである
湖が見えますか
空を映して
風とかたらい
鳥が舞い降り
時をうけとめ
光と遊ぶ
湖が見えますか
わたしはいつもここに戻って
生まれた頃の記憶をたどる
なにを求めてここにきたのか
なにを伝えてここを去るのか
小さな舟がこころをのせて
ゆらゆら揺れる
夢がいつか覚めた朝には
風が運んだ一枚の葉を
握りしめてた自分にきづく
いろんなひとが
おんなじときに
おんなじことを
おもいだすのは
いつの時代かわからないけど
だれかの言葉が伝わることだ
夜の海のちいさな舟に
遠くのひかりが届いたことだ
ちいさな綿毛の種のひとつが
旅してここまできたことだ
たくさん さよなら あるなかで
花の色が違うように
どのさよならも ひとつきり
たくさん さよなら あったあと
ぽつり ぽつりと はじめてが
芽ばえてのびていくでしょう
なにひとつ忘れなくていい
なにひとつ捨てなくていい
たくさん はじめて あるなかで
どのはじめても ひとつきり