らくちんでたのしいこと
必要です
それはまるで
疲れたときのお菓子
そして
めんどくさくてたのしいこと
これがどうしても
ひとつ必要です
それはまるで
じぶんのかたち
らくちんでたのしいこと
必要です
それはまるで
疲れたときのお菓子
そして
めんどくさくてたのしいこと
これがどうしても
ひとつ必要です
それはまるで
じぶんのかたち
あしたには
あしたの花
だからきょうは
あせらずおやすみ
あしたには
あしたのお日さま
だからきょうは
ゆっくりおやすみ
あしたには
あしたの唄
だからきょうは
なにもせおわず
からっぽになって
ゆめにくるまり
おやすみなさい
あしたはどこからくるでしょう
時の川から流れてくるの
生きものから湧いてくるの
きのうはどこへいくのでしょう
ひとつひとつの雨粒のように
降っては消えるものかしら
土に浸みて旅をして
ふたたび雨になるかしら
どこにも行かないものなんて ないさ
ずうっと変わらぬものなんて ないさ
淋しいけれども救われるそんなひとつの真実さ
雲間から月が顔を出したら
見えてきた道を歩きはじめよう
道のおわりはわからないけど
そこから見える景色を知りたい
足跡ができる それだけでいいさ
朝をかさねる そのことだけがだいじ
てくてくあるく
てくてくあるく
みちをまがって
てくてくあるく
みちをよこぎり
まだまだあるく
おっととつまづき
ころんでなきべそ
そらまでなきだし
あめがぽつぽつ
やすんでしばらく
あまやどり
あめだあめだ
かみなりだ
ざあざあごうごう
あめがふるから
ついでにわたしも
いっしょにないた
なくのもあきて
そらまではれて
にじがでたから
ちょっとすきっぷ
てくてくあるく
てくてくあるく
ちいさなものほど
ほんとはおおきい
遠くにみえる星みたいに
光は長い旅のあと
今夜届いたものだから
ちいさなものほど
ほんとはおおきい
手につつまれる小鳥みたいに
いのちは長い旅のあと
星より光るものだから
たくさんの雲が
走っていくので
どこへいくのと聞いた
ここからむこうへ
そこからむこうへ
ひっぱられて動いてるんだ
水がごうごう流れるように
風がびゅうびゅう吹くように
なにかにひっぱられて
動いているんだ
時間が流れていくときも
こころが動くそのときも
なにかにひっぱられて
動いているんだ
止めることなんか
だれもできないんだ
風が吹く
雲がゆく
扉が開く
わたしが見る景色は
きのうとは違うだろう
忘れていた
背中の羽をひろげよう
ほら風がきもちいい
ほら朝がやってくる
雷雨のあとの
青空とつめたい風と
いま歩いてるこの道
記憶に刻んでおこう
今日買った一冊の絵本の赤い小鳥
おひるに食べたブロッコリーの緑いろ
消えていく打上げ花火の金いろ
時計の数字をよまずにおこう
おんなじ日はないんだ
あしたもそのつぎも
ずっとさきの一日も
オレンジ色の花の横を
オレンジ色の蝶が飛んでいく
ひらひらと柔らかで
似ているね
似ているよ
夏のひとときの
神さまがつくった相似形
道に咲き溢れて
風に吹かれてひらひらと
自転車でとおりすぎる
こどもの横をひらひらと
オレンジ色の相似形
夢みるなら
ほんとうの夢
だれかが描いたものでなく
だれにもわかってもらえなくても
いちから描いたものがたりを
はじめることで道ができたら
どこで終わるかわからなくても
こころがさいごによろこぶように
他人にならずに歩ける道を
つぎの時間に手渡すまでの
このつかの間を歩いていく
このものがたりを歩いていく
むかしむかし
おろかものがおりました
おろかと言われても
否定することもなく
暮らしておりました
ある日すべての矢印が
逆方向を向いて
昨日の言葉は嘘でした
これからの言葉はほんとです
ある日を境に変わってから
おろかものは誉められ讃えられ
いろんな言葉で飾られましたが
肯定することもなく
暮らしておりました
みんなの矢印など
なんの意味もないからです
ほんとうの矢印が
自分のなかにあるからです
青いクレヨンで空を描く
緑のクレヨンで樹を描く
黄色と黒で揚羽蝶を
赤でグラジオラスを
生きてるものを
動くものを
描いて歩いていくために
目の前には何も描かず
白い一本の道にする