生きてると怒る
生きてると笑う
生きてると泣く
生きてると望む
生きてると変わる
生きてると終わる
生きてるとはじまる
生きてるものと
生きていたものと
これから生きるものが
いっぱい存在する
この星のうえで
生きてると怒る
生きてると笑う
生きてると泣く
生きてると望む
生きてると変わる
生きてると終わる
生きてるとはじまる
生きてるものと
生きていたものと
これから生きるものが
いっぱい存在する
この星のうえで
月が眠る間に
ちいさな庭に種を蒔く
どんな花が咲くか
誰も知らない
木の実が落ちる
小鳥が夢みる
ささやくみたいに吹く風は
あしたは舟を押している
月が眠る間に
記憶を掘り起こし
地図をえがく
見えるものと
見えないものが
おなじように
そこにあるうちに
ひとつの星と
もうひとつの星
ひとつの花と
もうひとつの花
ひとりの人と
もうひとりの人
そのふたつの共通のなにか
ふたつをつなぐみえない線
それをさがさずにいられない
ひとつの夢と
もうひとつの夢
ひとつの伝説と
もうひとつの伝説
ひとつと
もうひとつ
誰かにとめられたとしても
それをさがさずにいられない
おんなじときに
おんなじことを
一緒にきづく
それが
どうしてこんなに
嬉しいんだろう
わたしたちは
同じ水脈でつながる
あなたの震えは
わたしの震えだ
見えない水脈が
はっきり見えて
わたしたちは
ひたひたと満ちる
この手のひらにある鍵で
どんな扉があくのだろう
扉のあいたその先の
はじめての景色みるために
今夜の眠りはあるのです
あしたの目覚めはあるのです
鍵は魔法のはじまりです
そう 物語のはじまりです
とぎれぬ日々をのりこえて
わたしを待ってる扉へと
まいにち旅をするのです
夕焼けのいろ
覚えておこう
会えないけれど
たいせつなひとの
笑顔をもういちど
覚えておこう
むかしむかしの
おとぎ話を
ちいさな唄を
覚えておこう
旅の記憶を
あしたの夢を
覚えておこう
すべてのことは
いちどきり
すべてのことは
永遠に
生きてるうちを
覚えておこう
揺れる 揺れる
小舟が揺れる
きのうとあしたをつなぐ小舟が
真ん中の今日で揺れている
この川は長いね
名前も忘れてしまうほど
意味など消えてしまうほど
ながいながい時の流れに
浮かぶ小舟が揺れている
とけない氷
消えない火の色
遠い遠い国の
口伝えのものがたり
つみかさねた時の色
いつか見た湖
ひかりを詰めた硝子瓶
透けていく夢
さざなみの青
星をつつむ青
夜から産まれて
朝を産む青