辻占いの歌

今日の歌をお届けします:tamako

うろこ雲への質問

2012-08-31 22:34:33 | 
知らない鳥のさえずりに

見あげた空に うろこ雲

あの鳥 どこからきたのかな

あの鳥 どこへいくのかな







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夏の終わり

2012-08-30 21:33:02 | 
夏の終わり

海のとんぼ

石段のぼる

風ふきぬける

光がななめに

おりてくる

あしたの空は

どんな色

サンダル鳴らして

石段降りて

かえりの電車の

ホームであくび

ポケットのなか

砂のてざわり

さっき言われた

ことばは消えて

声だけ残る

音だけ響く












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小鳥一羽ぶん

2012-08-29 22:49:29 | 
ちいさくて

かるくて

ふわふわで

手の中におさまる

小鳥一羽ぶんの

あたたかさで

おおきな空を

そっとささえる



















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まだこの世にない

2012-08-28 23:22:32 | 
まだつくられていない靴をはき

まだ知らない景色に立って

まだこの世にない歌を口ずさむ









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山の花

2012-08-27 22:00:21 | 
みつけたよ

ほんとだよ

咲いてたよ

山のうえ

風のなか

空のした

ちいさくて

ふんばって

笑ってた

ほんとだよ

こどもらが

のびするように

咲いてたよ







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あしたまたね

2012-08-26 20:38:10 | 
あしたまたねと言おう

たしかに会えるかわからない

だから

あしたまたねと言おう

あたりまえの朝のために

おまじないのように

あしたまたねと言おう








 
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川辺のさんぽ

2012-08-25 22:49:05 | 
裸足で水を蹴る

川底の小石が

くすぐったい

いま光ったのは

追い越してゆくとんぼ

どこへいこうか

風がそよぐよ

水がひかるよ










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ぷかりぷかり

2012-08-24 23:58:38 | 
ぷかりぷかりと

舟にねそべり

ぷかりぷかりと

雲と一緒に

ぷかりぷかりと

決して戻らず

ぷかりぷかりと

たどり着くまで






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森である

2012-08-23 20:40:09 | 
森である

暗い森である

わずかにもれる月の光で

なんとか歩いているのである

遠くに聞こえる笛の音は

獣が月を呼ぶ声だ

柔らかい苔に落ちている

つやつやとした青い実は

恵みだろうか 罠だろか

今夜わたしが見る夢に

ひらひら漂い舞う蝶は

天使だろうか 鬼だろか

その名も意味も知らないが

森を歩いているのである

森である

暗い森である

森である

わたしの森である















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白い花

2012-08-22 22:37:35 | 
月かと 思いました

今夜 咲いた 白い花

また会えるのは いつ

前に会ったのは どこ




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消えることなどありません

2012-08-21 23:22:50 | 
わたしたちは

ずいぶんと

こころもとない

この世のほんのきまぐれで

けしとぶ小さな生きものですが

ほんとうは

消えることなどありません






















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ひとつのじぶん

2012-08-20 21:42:34 | 
誰のものでもない じぶん

もちろん

他人のものではない じぶん

けれど

じぶんじしんのものでもない

もっと

大きななにか

ひろいなにか

はてしないなにか

の なかの ひとつ の じぶん











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夏はいつまで夏かしら

2012-08-19 18:36:10 | 
わたしがすきな池のほとり

緑の屋根でできた暗がり

蜘蛛が渡した糸が一本

隠れていた鳥が飛びたつ

過ぎ去る夏のまひるが欠ける

ひっくりかえった虫のなきがら

夏はいつまで夏かしら

いつまでわたしは見るかしら


























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夢のなかでも

2012-08-18 23:50:00 | 
夕立ち

泣き虫

ごめんねが言えない

夢にでてきた

あのこの背中

ふりむかないで

ふりむいて

夢のなかでも

たちどまる

日ざしが強くて

しかめっつらで

蝉の声しか

聞こえない



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雪はいま旅に出ております

2012-08-17 20:20:25 | 
雪はいま

旅に出ております

風にのって

山を越えて

海を越えて

ときどき樹の上で

ひとやすみして

ふわふわとあくびして

また風にのります

冬になったら

戻ってきます

雪はいま

旅に出ております



















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