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資産バブルの懸念をあおる中国の「影の銀行」 (ウォール・ストリート・ジャーナル)

2013年06月27日 | 中国バッタ屋経済の終焉
資産バブルの懸念をあおる中国の「影の銀行」 (抜粋記事)
ウォール・ストリート・ジャーナル2013年 6月 26日 21:03 JST
By LINGLING WEI, BOB DAVIS

 前文省略

 中国の新華社通信は23日、人民銀が暴走する影の融資活動を抑えるため、流動性の引き締めを図ったと報じ、人民銀の金融政策が「量」から「質」へ照準をシフトさせたことを示唆した。新華社は「投機的な投資を待っている短期資金が多くあり、民間の融資は依然として広く存在している」と伝えた。

 人民銀は24日、声明を発表し、流動性のひっ迫に関する沈黙を破った。「すべての金融機関は・・・金融環境の安定性を促進させるため、流動性管理を強化し続けなければならない」。

 声明は人民銀の戦略や懸念をほとんど明確にせず、投資家をなだめることもなかった。中国株は5.3%下落した。下げをリードしたのは銀行株だった。

 中国内外のエコノミストらは影の融資業者が米国で起きたサブプライムローンのブームを思い起こさせるようなリスクをもたらしていると懸念する。決して回収 できないかもしれないプロジェクトを支援したり、何に対する資金なのかを投資家に十分に説明しなかったり、実際にはそうではないのに銀行に不良債権を処分する手段を与えるように見せかけることなどによって融資が行われているためだ。

 北京にある大手格付け会社のフィッチ・レーティングスのシニアディレクター、シャーリーン・チュー氏は、人民銀は金融問題を手に負えないものにしないよう、今行動すべきだと感じたのだと指摘する。「問題が大きくなればなるほど、管理がますますできなくなる」。

 影の融資業者は通常の銀行からの借り入れと、銀行の利息よりも高い利回りを求める裕福な個人投資家の両方から資金を手に入れる。伝統的な銀行が資金の確保 に苦労するのにともない、影の融資業者への貸し出しも減った。加えて金融引き締め策は、銀行よりも安全性が低いと考えられている金融機関へ資金を投じるこ とを投資家に再考させる可能性がある。

 欧米のほとんどの銀行とは違い、中国の銀行は政府が所有し、大手国有企業への貸し出しが大半であるため、多くの融資希望者はのけ者にされている。預金金利 は政府が決めておりほとんど競争は許されない銀行の金利はしばしばインフレ率よりも低いため、預金者はより利回りの高いものへ食指を動かすことになる。

 そこで影の銀行の登場となる。典型的なシナリオはこうだ。鉄鋼所や幹線道路などのプロジェクトのための資金が必要な借り手は高金利の短期ローンを組む。影 の融資業者は自らか、もしくは他の業者と一緒に、そのローンを投資用の商品に仕立て、ローンの返済を原資とする高いリターンを約束する。

 シャドーバンキングは中国の金融セクターで最も早く成長している。長年にわたり、中国は市場原理に基づく融資業務の試験運転の場としてこのセクターを利用してきた。従来の銀行では正式には許可されていないものだ。


 JPモルガン・チェースの試算によると、従来の銀行が貸し出しを縮小した2010~12年に、影の銀行の融資残高は36兆元(約570兆円)に倍増した。これは中国の国内総生産(GDP)の約69%に相当する金額だ。影の金融機関の柱の1つであるいわゆる信託会社では管理資産が3倍近い8兆7000億元に増え、信託部門は中国の金融サービス分野では銀行に次ぎ2番目に大きな部門になった。

 影の銀行は従来の銀行ほど厳しい規制を受けておらず、融資の状況や投資先についてあまり情報を開示しないことも多い。通常の銀行の貸し出しではきっと資格外にされるはずの不動産開発やインフラプロジェクトに飛び乗ることもある。

 アナリストやエコノミストは、影の銀行による融資のうちデフォルト(債務不履行)に陥っている金額は不明だと語る。これまでのところ、投資家は信託融資で実際に損失を被ってはいないが、これはこれまで問題のある借り手がおおむね政府に救済されてきたからだ。こうした救済のため、政府はデフォルトが拡大すれば 一段の損失を受ける状態にあり、この懸念は中国経済の減速につれて広がっている。

 以下省略



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