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米、中国向け軍事的選択肢を策定 南・東シナ海 (ウォールストリートジャーナル)

2014年04月29日 | 東アジアニュース
米、中国向け軍事的選択肢を策定 南・東シナ海 同盟国の懸念受け
ウォールストリートジャーナル 2014年 4月 28日 19:49 JST
 By ADAM ENTOUS AND JULIAN E. BARNES

【ワシントン】米軍は、中国が南・東シナ海で挑発行為に出た場合に断固たる行動をとるため、中国近辺でのB-2爆撃機の飛行や沿岸近くでの空母演習を含む軍事的選択肢を策定した。当局者が明らかにした。

 軍事的選択肢について説明を受けた当局者によると、こうした行動計画はオバマ政権の防衛義務への決意に対してアジアの同盟国が抱く懸念を反映するものだ。こうした懸念は特にロシアのクリミア編入後に広がり、今回のオバマ大統領のアジア歴訪を通じて付きまとっている。

 米政権の現旧高官によると、アジアの同盟国各国は米当局者に対し、クリミアは米政権にとって、中国が南・東シナ海で同様の侵攻に及んだ際のリトマス試験紙となる可能性があると伝えていた。
 国防総省高官は、米国が言葉通りにアジア重視戦略を遂行することについての当地での懐疑的な見方について、「彼らは懸念しているが、これはクリミアだけの問題ではなく次第に強まってきたものだ」と述べた。

 オバマ大統領が28日にフィリピンに到着する直前、米国とフィリピンの当局者は新軍事協定に署名した。協定により、米軍のフィリピンでの活動が復活する。米軍は20年余り前に現地での反発を受けて完全撤退していた。
 日本では、オバマ大統領は安倍首相との共同記者会見で、尖閣諸島(中国名は釣魚島)が日米安全保障条約の対象となることを明言した。
 オバマ氏の韓国とマレーシアへの訪問では、ロシアが米欧の警告を無視してクリミアを併合したことへの懸念が付きまとった。

 新しい米国の軍事的選択肢は、ハワイの米太平洋軍がこの数カ月で策定した。中国が昨年、東シナ海の尖閣諸島上空に防空識別圏を一方的に設置して国際的危機を招いたことを受けたもの。


 米国防総省高官は、軍事的選択肢は中国か北朝鮮かにかかわらず地域内でのあらゆる挑発的行為に適用するものだと述べた。北朝鮮による侵略的行為の可能性をにらんで選択肢を見直しているところだという。北朝鮮は「挑発のサイクル」に入りつつあると主張する高官もいる。
 米国の軍事的選択肢には、中国近辺でのB-2爆撃機の飛行や沿岸近くでの空母演習のほか、近辺での偵察行動を増やしたり海軍による同盟国への寄港を強化したりすることも含まれる。

 軍事的選択肢によると、中国の領有権主張に関連して地域内で一方的な動きに出た場合、中国に引き下がらせるために米軍が軍事的手段をとることになっている。米高官は、米国は領有権でもめている南・東シナ海の海域で軍隊配備を強化し、かつてない強い調子で中国の主張に挑む準備があると述べた。

 こうした措置は武力衝突リスクを伴わずに講じることができると高官は述べ、中国軍部内に対応をめぐって意見の相違があることを示唆する情報があると語る。米軍のすべての危機管理計画は潜在的な敵に引き下がる余地を残すよう設定されているという。

 中国は、米国の軍事力を示す行動には同種の対応をとると繰り返し述べている。中国は軍の近代化に巨額を投じており、アジアで権勢を振るっている。米高官は、アジアの同盟国が中国の武力行使に米国がどう対応するかを知りたいのなら、米国によるウクライナ支援策を参考にすべきではなく、むしろ東欧の同盟国やバルト諸国を安心させるための国防総省の動きを見るべきだと述べた。条約によって米国が防衛義務を負っているためだ。

 国防総省は先週、東欧での軍事演習に数百人を派遣し、黒海ではローテーション形式で艦隊を維持することを明らかにした。
 北大西洋条約機構(NATO)の欧州同盟国と同様に、米国は日本、韓国、フィリピンと防衛協定を結んでいる。一方、米国とウクライナはこうした協定を結んでいないことを米当局者はアジアの同盟各国に伝えてきた。ある軍幹部は「リンゴとオレンジを比べるようなもの」と語る。

 米当局者によると、米国は最近、中国による新たな防空識別圏の一方的な設定や南・東アジア海での領有権主張の動きを受け入れないことを、中国側に非公式に警告した。中国政府がこの警告をどの程度深刻に受け止めたかは不明だ。


以下省略


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