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昆明殺傷事件が警告する「新たな中国リスク」  (  ロイター )

2014年03月03日 | 中国バッタ屋経済の終焉
コラム 昆明殺傷事件が警告する「新たな中国リスク」
ロイター2014年 03月 3日 13:38 JST
 北京 2日 ロイターBREAKINGVIEWS  By John Foley


 中国雲南省の昆明駅で起きた無差別殺傷事件。少なくとも33人が死亡した今回の事件は、中国に新たな種類のリスクをもたらした。これまでは中国が相対的には安定した国だという投資家の認識があったからこそ、政治スキャンダルや国境紛争が起きても、資産価格や資本フローに大きな影響は及ばなかった。しかし、民族間の緊張の高まりは、中国リスクの見直しにつながる恐れがある

 政治リスクは、国の資本コストに大きな影響力を持つ。中国の政治リスクは、少なくともほとんどの投資家が注目していた期間においては低かった。投資家らは、薄煕来・元重慶市党委書記の失脚や、新疆ウイグル自治区の警察襲撃事件、天安門前の車両突入・炎上事件を受けても冷静さを保っていた。これらの事件の際、当局は概ね事態をコントロールしているように見えた。ベネズエラやウクライナ、タイの政治混乱に比べれば、中国の一党支配は障害よりも利点になるとみられていた。

 ただ、国営メディアが新疆の過激派による犯行だと非難した今回の事件は、性質が異なるように映る。タイミングが重要で、事件は全国人民代表大会(全人代、国会に相当)の開幕直前に起きたまた、事件が北西部の新疆ではなく、南西部の雲南省で起き、かつ市民が標的にされたことは、無差別襲撃事件が全国的に発生するリスクが高まったことを暗示する
 今回の事件によって、国内外の投資家は中国に関するリスクの再評価を迫られるかもしれない。資本コストのわずかな上昇は、金融市場の大幅下落につながる可能性がある。中国の通貨人民元は、約2週間にわたって下落を続けている。人民元の下落は中国当局が投機筋を牽制するための意図的な試みとして始まったとみられているが、もし投資家が人民元建て資産のリスクとボラティリティーが高まったと判断すれば、資本逃避に発展する可能性もある。


 中国当局の治安維持能力は依然として高く、事件でナイフが使われたことは、武装集団の攻撃方法が洗練されていないことを示している。しかし、金融市場の混乱は、よりコントロールが難しいだろう

 流動性の低さや「影の銀行」への依存によって、中国の金融システムは資金フローの短期的変化に弱くなっている。中国のリスクプレミアムが少しでも見直されれば、世界の市場は一斉に反応するだろう。見直しが入っているのは、政治的安定だけではないのだ。


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