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アジア・オセアニア地域の通信社が配信する記事から『中国の領土紛争問題』を伝え日本の安全保障などのニュースブログ。

軍拡加速で南シナ海が「火薬庫」に ~潜水艦能力~ (ロイター)

2015年05月31日 | 安全保障と南シナ海紛争
軍拡加速で南シナ海が「火薬庫」に (抜粋 記事)
(Siva Govindasamy記者、翻訳:宮井伸明、編集:伊藤典子)

ロイター 2015年 05月 29日 15:26 JST



[シンガポール 26日 ロイター]

前文省略


潜水艦能力

潜水艦への関心も高い。
ベトナムはロシア製の潜水艦3隻をすでに保有しており、さらに3隻の追加調達も予定している。こうした動きを専門家は、海洋進出を強める中国に対する同国の決意を表すものだと指摘する。

シンガポールが保有する潜水艦はスウェーデン製の中古潜水艦4隻だが、独ティッセンクルップ・マリン・システムズ(TKMS)(TKAG.DE: 株価, 企業情報, レポート)に新たに2隻を発注。インドネシアは、韓国の大宇造船海洋(042660.KS: 株価, 企業情報, レポート)から3隻を買い取る。
また、戦車やヘリコプターも運べ、捜索救助活動にも使える水陸両用艦の人気も高い。

シンガポールの防衛・航空機整備大手STエンジニアリング(STEG.SI: 株価, 企業情報, レポート)は、エンデュランス級揚陸艦4隻を同国海軍向けに、1隻をタイ向けに建造中。インドネシアとフィリピンも同様の揚陸艦の採用を検討している。

前出のハクスリー氏は「こうした多目的艦はさまざまな任務に適している。予算は小さいが要求の幅広い東南アジアの海軍にとっては理想的だ」と述べた。


フィリピンには、日本から巡視船10隻の供与が決まっている。ベトナムも日本から中古巡視船の供与を受けている。
海上偵察能力を引き上げる固定翼機やヘリコプター、無人機に対しても、関心は再び高まっている。今年に入ってマレーシアで開催された防衛展示会では、米ボーイング(BA.N: 株価, 企業情報, レポート)が哨戒機の売り込みをかけた。
ラジャラトナム国際研究院のビツィンガー氏は、今月に発表した研究論文にこう書いている。

「東南アジア各国の海軍が新たな戦闘能力を身に付けるに従い、地域で紛争が起きれば、これまでより激しく、スピーディーかつ致死的、つまり壊滅的な戦いになる可能性が高い」

軍拡加速で南シナ海が「火薬庫」に (ロイター)

2015年05月31日 | 安全保障と南シナ海紛争
軍拡加速で南シナ海が「火薬庫」に (抜粋 記事)
(Siva Govindasamy記者、翻訳:宮井伸明、編集:伊藤典子)

ロイター 2015年 05月 29日 15:26 JST


[シンガポール 26日 ロイター]

 領有権問題で南シナ海情勢が緊張を増すなか、東南アジア各国は、海軍や沿岸警備隊への支出を優先させつつある。しかし、各国の海上軍事力が強まれば、係争海域で衝突が起きた際に収拾がつかなくなるリスクも高まる。

調査会社IHSが発行する軍事専門誌「ジェーンズ・ディフェンス・ウィークリー」によると、東南アジア全体の防衛費は、2015年の推定420億ドル(5兆1000億円)から、2020年までに520億ドルに膨らむ見通し。なかでも、海軍関係の予算がかなりの部分を占めるという。

増強された軍備の多くは、南シナ海と周辺海域で使われるとみられる。南シナ海の南沙(英語名スプラトリー)諸島では現在、中国が人工島の建設を加速させており、周辺各国が警戒を強めているほか、中国海軍と米空軍の間にも緊張が高まっている。

南シナ海は、年間5兆ドルの貨物が行き交う海上交通の要所。中国が領有権を主張する範囲は南シナ海のほぼ全てに及び、フィリピン、ベトナム、マレーシア、台湾、ブルネイの主張領域と重なっている。

国際戦略研究所(IISS)アジア事務所のティム・ハクスリー事務局長は「彼らの海上での能力が高まれば、(東南アジアの)攻撃部隊の活動範囲と殺傷力も拡大することになる」と指摘。「衝突が起きてエスカレートすれば、さらに破滅的な争いを招く可能性がある」と述べた。

海軍力増強に対する関心の高さは、先週シンガポールで開催された海上防衛展示会「IMDEXアジア2015」でも顕著に見られた。

会場では、地域の海軍幹部や防衛物資調達責任者らが、欧米やイスラエル、アジアの防衛企業と情報交換を行い、最新鋭の潜水艦のほか、巡視船や水陸両用艦、無人機や偵察機などの模型が所狭しと展示された。

 欧州の防衛大手企業の幹部は「自由な時間は持てなかった。複数の高官が当社のブースを訪れて熱心に見ていた」と語った。

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日米防衛相 中国の南シナ海進出に連携して反対  (NHK NEWSWEB)

2015年05月31日 | 安全保障と南シナ海紛争
日米防衛相 中国の南シナ海進出に連携して反対
 NHK NEWSWEB  5月30日 16時57分

 アジア安全保障会議に出席するためシンガポールを訪れている中谷防衛大臣は、日本時間の30日午後、同じ会議に出席しているアメリカのカーター国防長官と会談しました。

 会談の冒頭、中谷大臣は「新しい日米の防衛協力の指針の策定によって、日米は新しい一歩を踏み出した。日本では、ガイドラインの裏付けとなる安全保障関連法案の審議も始まっている」と述べました。
これに対し、カーター国防長官は「日本とは同盟国として、多くの安全保障上の課題について、今後もよきパートナーであり続けたい」と述べました。

 また、中谷大臣は、中国が南シナ海で海洋進出を活発化させていることについて、「日本としては東シナ海だけでなく、南シナ海の問題にも非常に関心を持っている。この地域が安定するよう、周辺国とも協力していきたい」と述べました。
これに対し、カーター長官は「中国の急速な動きに強い警戒感を持っている。日本が南シナ海の問題に関与したいとしていることを評価する」と述べたうえで、中国の力を背景とした現状変更には、連携して反対していくことで一致しました。

 これに先立って中谷大臣は、会議に参加している中国人民解放軍の孫建国副総参謀長と立ち話を交わし、中谷大臣が「さまざまな問題について大いに議論をしたい」と述べたのに対し、孫副総参謀長は「われわれは両国関係をよくし、正常な方向に進めていくことを望んでいる。防衛大臣としてのあなたの責任は重要だ」と述べました。

日米豪 中国に埋め立て中止求める共同声明 (NHK NEWSWEB)

2015年05月31日 | 安全保障と南シナ海紛争
日米豪 中国に埋め立て中止求める共同声明
NHK NEWSWEB 5月30日 18時52分

「アジア安全保障会議」に出席するため、シンガポールを訪れている中谷防衛大臣は、日本時間の30日午後、アメリカのカーター国防長官、オーストラリアのアンドリューズ国防相と3か国の防衛相会談を行いました。
会談で、中谷大臣は「新ガイドラインで、日米は地球規模の協力を行うことになり、オーストラリアと共に3か国で緊密に連携していきたい」と述べました。
また、アメリカのカーター国防長官は「基本的な価値観を共有する3か国が協力して、アジア太平洋地域の課題を克服するために立ち向かっていきたい」と述べ、3か国の防衛相による共同声明を取りまとめました。
この中では、中国が南シナ海で海洋進出を活発化させていることついて、「深刻な懸念を表明する」としたうえで、埋め立て活動を中止し、緊張を高めかねない挑発的な行動を控えるよう求めています。
また、「日米豪3か国がミサイル防衛に関して、定期的に意見交換を行っていく」などとしています。