“しなやかに、清々しく”

日常の出来事等を気ままに発信したい。

近代洋画の開拓者 高橋由一 の展示会に。

2012-05-09 19:53:54 | Weblog
 この3月に東京芸術大学関係者から頂いた首記展示会入場券を利用して、今日、同大学大学美術館に展示されている高橋由一氏の作品を鑑賞してきた。


芸大大学美術館入口


高橋由一展示会のパンフレット表紙


高橋由一展示会パンフレット 3ページの記事。

 展示会場は、私が入ったのが午前10時30分と早い時間であったが、会場にはすでに大勢の方が鑑賞していた。作品は、スケッチ画を入れておよそ120点とのこと。
 由一氏の自画像(慶応2~3年ごろ)から始まり、油画以前の水彩作品、油彩の人物画・歴史画、名所風景画、静物画、東北風景画と続く。
 油画以前の作品を観て先ず感じたことは、物の一つ一つが非常に仔細に描かれており、昔の写真の様との印象。そして、暗いバックに描かれた人物顔の色は、本物のようにすばらしい色あいであった。人物を浮かび上がらせているのがとても素晴らしい。
 名所風景画は、白の浮き上がらせ方に感銘を受ける。「真崎の渡」の川を下る船と白雲の輝きは、とても素晴らしい。


墨堤桜花 明治11年ごろ。絵ハガキから。

そして、静物画には、重要文化財の一つとなっている有名な鮭。

鮭 明治10年ごろの作品。絵ハガキから。

パンフレットにも記されている “その質感表現は、「写真みたいな」と言うより「触ってみたくなる」迫真性がある”


鯛図 絵ハガキから
 魚のおなかの部分の色彩がすばらしい。生きているよう!

 由一伝「東北石版画」は、大変仔細に描かれており、ほんとにあるがままの感じ。

説明文にあった言葉。由一は、「油絵で描くことは、あるがままの存在を映し出すことであり、そこに実用的な価値がある」という考えであった。

この展示会は、6月24日まで開催されている。お見逃しのないように!

最後に隣室で展示の芸大コレクション展「春の名品選」を観て、外に出た。

 行き、帰りに通った林の中に旧東京音楽学校奏楽堂が眼を惹いた。奏楽堂は日本で 一番古い、木造の洋式音楽ホールだそうです。
明治23年に建てられたものであるとのこと。


旧東京音楽学校奏楽堂

 広い上野の森の環境のよい場所で勉学できる芸大生は、幸わせなことと思いつつ家路についた。



コメント (1)
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