フランスに揺られながら DANS LE HAMAC DE FRANCE

フランス的なものから呼び覚まされることを観察するブログ

J'OBSERVE DONC JE SUIS

ミニ句集 PETIT RECUEIL DE HAIKU

2007-02-14 00:10:53 | 俳句、詩

Nao様からのコメントに回答を書いているうちに、今までに自ら書いたり、ここに寄せられた句を仏訳したものが散らばっていることに気づき、この機会にこれまでにたまっているものをまとめてみることにした。全く素養がないところでの大胆な試みになるのでご批評、ご教示いただければ幸いである。

2006-02-04

 この道はいつか歩いた夢の中  paul-ailleurs

    Chevreuse
    flânant un jour d'été
     c'est dans la rêverie ?


  2006-04-19

   春の宵 仏蘭西の香に時忘る  paul-ailleurs

     au crepuscule de printemps
      mêlé avec des francophiles
       j'étais perdu dans le temps


    2006-04-22

     昼下がり ふと見上げれば夏の顔  paul-ailleurs

       À la mi-journée
        regardant en haut soudainement
         je trouve le visage d'été

  
     黒々とした骨格に緑吹く  paul-ailleurs

       Dans les branches
        noirâtres
         sort le vert


2006-9-15

 Le chant des cigales
  déjà lointain
   j'écoute la voix du passé
   
       paul-ailleurs


  2006-11-05

   青眼さんに倣ひて詠める


    文化の日紫煙の中に君を見て  paul-ailleurs

      La journée de la culture
       je te vois
        dans la fumée bleue


    パリの空 心を解かす君がいて  paul-ailleurs

      Sous le ciel de Paris
       y'a toi qui
        ouvres mon âme


    そは脳とパリの地図見てジュリアン・グリーン  paul-ailleurs

      La ville de Paris
       c'est le cerveau
        dit Julien Green


    脳のパリ記憶の住処に冬籠り  paul-ailleurs

      Paris d'un cerveau
       au centre de la mémoire
        mes vacances d'hiver


     2006-11-08

      そは君か高い高い空 昼の月  paul-ailleurs

        Je me demande si c'est toi
         dans le ciel haut et haut
          la lune de jour


-----------------
 2006-11-26

  青にとけ空に散りゆく昼の月  Unknown

    dissoute dans le bleu
     se dispersant dans le ciel       
      la lune de jour

     (Unknown; traduit par paul-ailleurs)  


   2007-02-11

    ピアフ歌ひ封印溶けゆく如月かな   ミコ

      Piaf chantant
       mon coeur se descelle
        le deuxèime mois de l'année

     (Miko; traduit par paul-ailleurs)


    東風吹かば千のシャンソン歌ひ舞ふ   ミコ

      le vent d'est souffle
       un millier de chansons
        chantent et dansent

     (Miko; traduit par paul-ailleurs)


     2007-02-12

      モンタンの枯葉でめくるけふと明日   ミコ

        sur "les Feuilles mortes" de Montand
         je tourne
          aujourd'hui et demain

        (Miko; traduit par paul-ailleurs)


 2007-02-14

  菜の花忌めぐりてけふの月しずく   ミコ

    L'anniversaire "Les Fleurs de Colza"
     revient aujourd'hui
      la goutte de la lune

     (Miko; traduit par paul-ailleurs)

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8 コメント

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HAIKU (ミコ)
2007-02-14 00:15:44

ポールさんのブログを拝見したのが最近ですので、俳句を沢山お作りなのを知りませんでした。

無季・有季が混じってるいるところが、奔放でいいですね。つい有季・定型に捉われ自由に作れませんが、でもその制約が俳句たるゆえん、また魅力でもあるので、いたし方ありません。

山頭火は「リベルテ」を具現した鬼才ですが、多くの俳人は、恐れて傍に寄りません。現在なら金子兜太が戦争体験を背負って詠み、さしずめ平成の山頭火でしょうか。

ポールさんも花鳥風月派ではいらっしゃらないようですので、一層自由奔放にお詠み下さいますよう。

  菜の花忌めぐりてけふの月しずく   ミコ

libertin (paul-ailleurs)
2007-02-14 12:42:02
俳句に関しては、5/7/5の知識しかありませんのでなかなか大変です。季語は常に意識していますが、見つからない時はそのままにしてしまいます。束縛を嫌う身ですが、5/7/5を崩すところまではいっておりません。ただ山頭火には通じるものを感じています。金子兜太さんは一度テレビでお見かけしたことがあります。素人向けに書いた本も見つかりましたが、読んだ形跡はないようです。本日いただいた句は折角ですから記事に追加しておきました。

Unknown (Nao)
2007-02-14 16:16:36
文章があいまいですみませんでした。俳句は自分ではつくれませんが、ミコさまの俳句はすごいなあ・・と感心する感性は少しあるようなのです。二つの仏訳は意味は違いますが、どちらもとてもいい感じがしました。そしてどちらになつてもミコさまの思いはつたわつてくるようにおもいました。それで、仏訳するときご本人の意向とは少しちがつても、フランス語で俳句をつくるような、訳の仕方もあるのかな・・とおもつたのです。「私の心」が三人称になるのが、不思議な思いで仏訳をみつめておりました。私の心つて、たしかに一人称にはならないんですね。次々連想がうかんで面白いし、勉強しなきや・・という気にもなりました。1・14のブログにお礼をいれさせていただきました。ありがとうございました。
Plan de Paris (tanguilhem)
2007-02-14 18:22:27
"La ville de Paris"の部分ですが、"Plan de Paris"は検討されましたか? "Le"から入ると5音節ですが。フランス語としての伝達力と俳句的効果のせめぎあいも...
Nao 様 (paul-ailleurs)
2007-02-14 20:06:14
俳句の仏訳ですが、私の場合できるだけ作者の言いたいところを汲み上げて訳すように心がけております。ただ、自分の句についてはそのイメージで新しく作るくらいの感じで、比較的自由にやっています。いずれにしても経験が浅いので、なかなか大変なことには変わりありません。フランス人で俳句をされるような方と一緒にやると面白いのではないか、などと思ってはおりますが、、
tanguilhem 様 (paul-ailleurs)
2007-02-14 20:13:57
ご指摘ありがとうございます。正確に訳すとすれば "Plan de Paris" になると思います。ただ、Nao 様へのコメントにも書きましたように、自分の作についてはフランス語バージョンを別物と考えて日本語のイメージをもとに自由に訳して(作って)いるところがあります。他の作でもこのようなズレにお気づきのこととは思いますが、、。

Unknown (冬月)
2007-02-14 23:28:57
■何度か、俳句の仏訳を拝見して、フランス語はわかりませんが、なにか、惹かれるものがあります。別の楽器から音楽が新しく生まれるような。しかし、その音楽は、どこか懐かしいような。

ぼくも必要があって、いくつか、俳句を英訳してみましたが、四苦八苦でした。いつか、「訳」が「創作」レベルまで自然に行けばなあ、と思っているところです。



外国語の楽しみ (paul-ailleurs)
2007-02-15 18:38:31
俳句をフランス語で作ることになろうとは、始める前には想像もしていませんでした。これも外国語をやる楽しみかもしれません。私の場合、俳句を作るのはフランス語とおそらくこのブログに刺激されてのことだと思っていますので、その不思議を感じております。ただ、その気になることが余りないこともあり、ここで紹介したものがどれだけ通じるものなのか、私にもよく分かりません。この過程で一番楽しめたのは、自分の句を自由なイメージでフランス語で作り直す(創作とまでは到底いきませんが)時でしょうか。これからもぼちぼちやっていければと思っております。

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