フランスに揺られながら DANS LE HAMAC DE FRANCE

フランス的なものから呼び覚まされることを観察するブログ

J'OBSERVE DONC JE SUIS

新居祝いに出かける ALLER A UNE PENDAISON DE CREMAILLERE

2006-01-16 20:51:50 | 出会い

先日、食事にご一緒したフランス人ご夫妻 D&C のオープンハウスに出かけた。その時に、引っ越し・新築祝いのパーティを開くことをフランス語では pendre la crémaillère、パーティを pendaison (de) crémaillère と言うことを教わり、彼らのパーティに招待されたことを書いた。この週末がその日であった。

パーティには、フランス人の家族が多数と日本人数人。お話した人では、フランス大使館のお二人、プジョー勤務の人、日本滞在に15年にして未だ帰る気配のない人、学生時代に日本語を勉強し、奥様が日本人の日本語が完璧な方などなど。日本人は、Dの会社の人と彼に住宅を世話した不動産関係の方。この方との出会いも興味深い。Dは日本に落ち着く一年前に住宅やお子さんの学校の様子を見るためにご夫妻で日本に来ていたらしい。その時にお二人が道に迷っているところにこの方が通りかかったという。私の場合と同様に、全くの偶然の出会いである。それから学校に案内し、最終的には住宅のみならずオフィスまで面倒を見たという。何かの縁があったのだろう。

大使館勤務のひとりは学生時代に長崎から日本を縦断した経験の持ち主だけあり、話し方もエネルギッシュ。私のフランス語にも寛容に対応していただき、一番長くお話をさせていただいた。彼は日本の決定過程が未だによく見えないようで、相当に苛々しているようだった。アメリカの覇権は今後どうなるか?中国の今世紀は?日本は?と次々に議論を仕掛けてくる。その中でフランス語の試験DALFの経験から学んだ la synthèse がいろいろな局面で重要になるというようなことを話していると奥様が中に入り、フランスの高等試験 (?司法試験のようなものか) は (聞き間違いでなければ) 100 ページに及ぶ文書からそれをやるのだという。考え方の違いはここまで及んでいる。

また中世学者のル・ゴフさんや 「神と科学」 という本で知った、このプロセスを宗教・神学と哲学・科学的な考え方との間でおそらく初めてやった凄い人がいるという話をすると、トマ・ダカンだろうと返してきた。フランス語ではトマス・アクイナス Thomas d'Aquin が想像もつかない音になる。これも外国語の楽しみの一つ。彼はさらにトマ・ダカンは男女平等を唱えた最初の人だとも言っていたが、これもル・ゴフさんから聞いていた。今回ほどブログのありがたみを味わったことはなかった。

他にも仏米の文化について、フランスに住んでいるアメリカ人ジャーナリストが面白いことを書いていると紹介してくれた人がいた。そのジャーナリストはテッド・スタンガー Ted Stanger という。

またDは、ボードレールが 「悪の華」 の中で、グラスの中に酔わせるものが入っていればその中身が何であろうと peu importe というようなことを詠っていると言いながら、ワインを注いでくれた。帰ってから本を引っ張り出してその言葉を捜したが、私の記憶があやふやなのか、未だに見つかっていない。

パーティの雰囲気に完全に浸っていたのだろうか、時間はあっという間に過ぎていた。気づいた時はすでに minuit。すぐにお暇をしたが、フランス人グループはまだこれからという雰囲気であった。偶然の神がもたらしてくれた不思議な時間であった。

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