作家 小林真一のブログ パパゲーノの華麗な生活

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【 龍馬伝 (歴史エッセイ 89) 】

2010-03-25 10:16:26 | 05 歴史エッセイ

現実の政界が、およそ日本のことと
思えないことの連続だから、たまには
アタマを切り替えて、歴史のロマンを語りたい。

NHKドラマの「龍馬伝」である。
原作は無いのだというが、高知城下に
住む若き日の龍馬と、今でも遠い安芸郡の
貧乏人、岩崎弥太郎とが、友達付き合いする
場面が早くからでてきて、早々に見放していた
のを、この時間帯にロクな放送がないから、
見るともなく見ている。

21日の放送での最終場面に、のけぞる程に
驚いた。土佐藩は江戸期を通じ、260もの
藩の中で、最も悪政を布いた藩である。

藩祖一豊という下らん男が、京都辺りで
浪人を集め、何の縁もなかった土佐に
入国するのだが、突然領主を失った
長宗我部の版図に、浪人上がりを上士と
唱えさせ、本来の土佐人を下士と蔑む
体制を、幕末まで引きずったのだから、
幕末の山内容堂だって、最後まで
幕府寄りの、守旧派以外の何物でもない。

吉田東洋は藩主の意を汲んで行動する
奸物であり、下士たちのリーダー、
土佐勤皇党を率いる武市半平太を嫌いぬく
こと甚だしい。

やがて武市は東洋によって、主君の沙汰
として切腹に処せられるし、東洋もまた
那須信吾によって、自邸前で斬殺される
のだが、話はまだそこまで及ばない。

剣術修行で江戸から帰国した龍馬は武市の
攘夷論に目覚めるのだが、東洋はせっかく
上士に登用を伝えた龍馬から断られ、立腹の
あまり、こともあろうに岩崎弥太郎に
「龍馬を殺せ」と命じる場面で終った。

岩崎弥太郎は、それを演じる香川照之の
演技力かも知れぬが、龍馬に対する男の
ジェラシーの塊りみたいな嫌なヤツである。

まだ先の話になるが、薩長連合も大政奉還も
なった慶応三年十一月に龍馬は中岡慎太郎
とともに、京都「近江屋」で暗殺される。

龍馬の死でもっとも得をした人物、それが
岩崎弥太郎であるから、三菱の創始者こそが、
龍馬暗殺の黒幕だとボクは唱えてきていた。

まさかこんな場面で、「龍馬を殺せ」は早すぎる。



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1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
岩崎に竜馬の暗殺を命じたのは、東洋の甥?ですよ... (Unknown)
2010-03-25 17:00:42
岩崎に竜馬の暗殺を命じたのは、東洋の甥?ですよ。ドラマの流れでは。東洋が竜馬を高くかっていたので、妬んでいた、その表情が数回アップされてました。
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