作家 小林真一のブログ パパゲーノの華麗な生活

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【 坂本竜馬人気について (歴史エッセイ 88) 】

2010-03-16 11:40:41 | 05 歴史エッセイ

今でこそ竜馬、竜馬で、長崎も高知も
観光客が押しかけているが、明治維新が
なった直後は、意外にも忘れられたに
等しい存在であったという。

むしろ竜馬の海援隊に倣って、陸援隊を
組織した中岡慎太郎の方が、薩長同盟の
主演者であったとの説が強くあった。
両名共に、倒幕なった京都で「近江屋事件」
で殺され、今にいたるも真犯人が定かでない。
或は京都見廻組の佐々木只三郎だといい、
新撰組説も根強いが、意外や土佐藩上士の
犯行説もある。

本来なら、竜馬と中岡に与えられて然るべき
維新功労者が、土佐藩上士の後藤と板垣退助
に廻り、二人とも参議に列せられた。

竜馬を世に出したのは、司馬遼太郎さんである。
『竜馬が往く』を読んだ青壮年の中から、
彷彿として坂本竜馬の名が拡がっていった。

日本初の新婚旅行と騒がれる「おりょうさん」が、
竜馬の死後、生活に困窮し、一時は土佐の
鬼姉を頼ったが、それも長続きせず、最後は
横浜で舶来品を手がけて稼いだ商人の妾
として終っている。

朽ち果てた「おりょうさん」の墓を、探し出し
手厚く葬ったのは、横須賀の海軍将校たちで、
海援隊こそが我が海軍の祖だとしての行為
であった。

鹿児島への逃避行も、新婚旅行などではなく、
生命を狙われて危ない竜馬を、薩摩の
西郷隆盛が、暫し鹿児島で匿うための
薩摩落ちであった。

             パパゲーノ


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