作家 小林真一のブログ パパゲーノの華麗な生活

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【 不毛地帯(11) 】

2010-02-12 21:20:00 | 02 華麗な生活

昨夜放映された第15話になって、ようやく唐沢寿明が
演じる壱岐正が、本領を発揮した感じ。

あの姿こそ『炎の商社マン』の名に値する。
商社といっても、所詮サラリーマンの集うところ。
男のジェラシーの世界を、岸辺一徳がみごとに演じて
見せた。彼は名優である。

現実の社会で、「関西系の丁稚根性のイトヘン」と、東京勢に
バカにされるのは、岸辺が演じる里井のような時代遅れの
無能者が、社歴を誇りよく理解できぬ外資との交渉ごとに
までクチを出そうとしていたからと、言えなくもない。

無能者がなまじ己を知るが故に、いたずらに後から台頭して
くる有能な若手の頭を抑えようとする。

その典型的な場面を、15話での里井が壱岐に対する嫉妬を
むき出しにして演じてくれた。

石油公団総裁を演じる段田が巧い。
日本の中央官庁は、どの業界でも財閥系などの一流どころの
権益擁護のために存在すると、現役時代に何度も思ったものであった。

関西出身のイトヘン系商社は、あくまでもBクラスに甘んじて
いるべしと、高級官僚は思っていた。その典型を段田が
見せてくれた。彼もまた名優。

次期社長の座が危うくなったと自覚した里井が、大門社長に
すがりつく場面。実際にとくあった話であろう。

竹之内豊が登場して、商社マンの物語らしくなってきた。
ああいう熱い男が何人いたかで、会社の運命に差が出る
のじゃなかろうか。

官僚の天下り先の公団が、財閥系優先の方針を変えぬ
以上、外資との提携で、たとえ政界の邪魔が入ろうと、
独立独歩を貫く必要に迫られる。

今回もフィクサーの世界にも明るい華僑、黄夫妻が壱岐を
助ける。黄夫人のような存在に、出会ったことはないが、
ああいう人物の支援が得られるか否かで、勝敗の行方が
決まることも多かろう。

商社マンは常日頃の人間関係に気を配るのが肝要。

こうなると、秋津千里の存在は、むしろ邪魔に見える。
彼女を登場させながら、壱岐がどこまで会社の体質を変えて
いけるか、今後の展開に興が沸く。
(もちろん原作は読んでるが)


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