作家 小林真一のブログ パパゲーノの華麗な生活

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【 ドイツ語学校の寮の食事 (いつも珈琲があった6話) 】

2014-03-12 17:19:59 | 03 いつも珈琲があった

ボクは十年社員として、意外な「陽のあたる場所」に抜擢された
幸運の人となったが、最初からハンブルグ支店に勤務した訳ではなく、
先ずは2ヶ月間、田舎の村にわざわざ作った、ゲーテの名を冠した
外国人の為の語学校に入れられることになった。
村人は一人として英語もしゃべれない。その環境が良かった。

希望者には学校の中にある寮への入居が許されたから、ボクは裏手に
あった一人部屋に入った。
学校が建っている場所が傾斜地で、表から見るのと裏かでは結構高さ
が違う。裏側の窓から見る風景も当然異なっていて、すごそこから大きな
森が始まり、多少の距離を置いてこれまた結構高い山が見えた。
村の名にもなっている、「いのしし山」だった。
森から出て来たと思える、鹿や兔が遊んでいるのどかな光景であった。

授業を受ける教室も、全部学内にあり三食の食事を供する食堂もまた
同じ建物の中にあった。食堂ではビールは飲めなかったが、コーヒーや
紅茶なら、飲むことが出来た。

当時のドイツの通貨はマルクで、日本円との換算レートは90円が1マルク。
円に対する銭がペニッヒで、それがまだ一般に通用していた。
寮で飲むコーヒーには二種類があり、ワンカップが20ペニッヒ、ポット入りが
45ペニッヒだったから、当時の日本の喫茶店で120した時代にタダみたいな
気がしたものだった。しばらくして村の中心部に行ったが、そこでもワンカップ
は35ペニヒぐらい。後に行ったミュンヘンでは1マルクはしていた。


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