作家 小林真一のブログ パパゲーノの華麗な生活

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【 エルメスタをご存じですか(いつも珈琲があった31話) 】

2014-04-14 18:27:38 | 03 いつも珈琲があった
今ごろこんな質問をしても、誰もご存じではないと思う。
スイスにある人工甘味料の商品名でスイスにあるヘルメスという
会社が作っている商品名だ。

ボクは79年に商社トーメンを辞め、翌80年に自ら会社を興して、
いま35年目になる。

最初に考えていた、扱い商品にスイス・ヘルメス社のエルメスタが
頭の中にあった。
チューリッヒの街の中に、そのヘルメス社が在った。
訪問する前夜に下見に行っておいた。

ボクの訪問に対応してくれた担当者は、丁寧な人だった。
見本が大量に居るだろうと言って、用意もしてくれていた。

そこへ取締役の肩書を持つ男が現われ、日本での市場規模を聞く。
そんなもん、まだ売ってもいない物を、いくら売れるとは誰も言えやしない。
すぐに居丈高になるその男は、向こう三年間で如何ほどの販売計画があるか、
そのための宣伝広告費を、いくら見積もっているか、と次々に質問して来る。

先ずは東京のホテル内にあるドラッグストアに限定して売り出し、市場の
評判を知りたいと答えると、それじゃナンボにも成るまいと言う。
話にならんと、こちらから商談を打ち切ってヘルメス社を去った。

その足でミュンヘンに向かい、ドイツの競合メーカーの方へ行った。
こちらは非常に協力的で、最初から多くは望まない、徐々に市場を固めてくれたら
それで良いと言ってくれた。
ドイツ後の、舌を噛みそうな名前があったが、日本での商品名は別の名前でも良い
と、ずいぶんと話の分かる人であった。
初対面のボクを「我が家に招きたい」と、ボクを自宅に連れて行き、奥さんも同行して
予約を入れたイタリアンで御馳走にもなった。

ドイツ社の製品を少量の輸入で、販売のための社員も募集して、喫茶店を回ったが
どこでも「押し売り」扱いで、ケンもホロロだ。

方向を変えて薬局に行った見たら、対応がまるで違う。とにかくそこへ置いて行けと
商売も簡単なものだった。日本で売る商品名を「コーヒー・スイート」に定めた。
そして会社名をヘルメス・ジャパンに。明らかにやがて出てくるスイス社を意識しての
同じ社名を名乗ったのだ。

この話は長くなりそうで、続きはまた後日に。

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