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二次元が好きだ!!

SSなどの二次創作作品の連載、気に入ったSSの紹介をします。
現在ストパン憑依物「ヴァルハラの乙女」を連載中。

501統合戦闘航空団の戦い-Ⅱ (ヴァルハラの乙女たち)

2011-04-17 23:18:26 | 習作SS

視点:ミーナ

バルクホルンの部隊が敵と接触した直後レーダーが使用不能に。
続けて管制塔(時に501では司令塔とも呼ぶ)に設置してある固定電話にロンドンの司令部からの通報が入る。

曰く、哨戒艇が超低空でこの基地に向かっているネウロイを発見。ただちに迎撃せよ。

バルクホルンが向かったのは囮、本命はこの基地とは!
ミーナはネウロイの狡猾さに舌を巻くと同時に自分の判断ミスを責める。

しかし、そう落ちこむ暇はない。
格納庫にいるだろう美緒に連絡しなくては。

「美緒、いいえ。
 私も出ます、先に坂本少佐は基地に残った全員を率いてただちに出撃しなさい。」

『了解した!
 ところで宮藤とリーネはどうする?』

「それは・・・。」

リーネは精神的に不安定な所が残り初陣でいきなりニ階級特進(要は戦死)になるだろう。
宮藤に至っては飛行時間は10時間も達していないヒヨ子のヒヨ子、戦力としてカウントするわけにはいかない。
ゆえに結論は決まっている。

「2人は出しません、基地で待機してもらいます。」

『いや、それが。なんだ。
 2人ともユニットを履いて一緒に出ようとしているんだが。』

「・・・・・・。」

ミーナは考える。
宮藤は分る、戦意の面では歴戦のウィッチ並みで初飛行にも関わらずネウロイと戦えた。
だが、リーネは違う。ここ501に来てからずっと委縮したままで、こうして進んで出撃するのは今日までなかった。
どういうことだ?

『実はな、宮藤が
「私たちが半人前なら2人合わせて一人前です!」というわけだ。はっはっはっは!』

こっちの心境でも読んだのか原因を言ってくれた。
なんか色々省力されてるがまあ、いい。主題のリーネがいい方向へ成長したのはたしかであるし。
予備兵力として運営できて戦術の幅が広がる。もしかすると使えるのかもしれない。
新たな結論をミーナは回答する。

「宮藤さん、リーネさんは予備兵力として運営します。
 攻撃は私、坂本少佐、エーリカ、ペリーヌさんでします・・・サーニャさんは魔力切れだから以上の4人ね。」

大型ネウロイに4人は少しばかりきつい。
トゥルーデが居ればそれだけで済むがいない時はせめて攻撃で6人は欲しい。
でもどんなに要求しようが、ないものはない。現場の創意工夫で何とかするしかないのだ。

『ミーナ、安心しろ。
 宮藤たちに頼らざる場面を作り出す毛頭はない。
 ミーナがいればきっとうまくいく、今日もさっさと終わらせて見せるさ。』

ネガティブな方へ思考がそれた所で美緒のフォロー。
毎度はこんな気の利いたことはできない、鈍感ジゴロ侍の突然のフォローでミーナの胸の鼓動が早まる。

「美緒・・・。」

『む、回転数が離陸可能まで上がったか。
 じゃあ先に行ってくる、ミーナも遅れるなよ!』

「え、あの、ちょ。」

やはり鈍感ジゴロ侍のままであった。
返事を聞かずに行こうとする。

『兎も角、
 最近はデスクワークが多くてあれか?体重が増えて・・・。』

「馬鹿!知りませんッ!!!」

ブチッ!と力強く無線のスイッチを消す。
静けさが部屋を支配し、ミーナは今すぐ行かなくてならないのは知ってはいるが。
ため息と愚痴を零さずにはいられなかった。

「これだから、扶桑の魔女は・・・。」

叶わぬ想いと振り回される自分にミーナはため息をついた。

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501統合戦闘航空団の戦い-Ⅰ (ヴァルハラの乙女たち)

2011-04-17 00:48:17 | 習作SS

視点:バルクホルン


照準にたっぷり収まる距離まで詰めてから一斉に射撃開始。
ネウロイは直前になってようやくこちらの攻撃に気付いたが、遅い。

4人の魔女と4人のネウロイが交差する寸前。
何度も何度も繰り返してきた動作、MG42の引き金を引く。
マズルフラッシュに肩に強い反動、発射音の爆音が耳に聞こえる。

人型ネウロイ、いやこの場合ウィッチ・ネウロイ。
それとも前世で鑑賞した某ゲームと同じくNecro(人間の死体)を Morph(変質)させたからネクロモーフと命名すべきか。
7.92ミリ弾が当たる瞬間、彼女は血どろみな顔を私に向けていた。

驚きも恐怖も喜びもない表情、感情がまったくない。
あれは正確にいえば実験動物のモルモットに対する眼で私を見ていたのだろう。
興味深い観察対象として。

彼女の上から降り注いだ私の7.92ミリ弾が背中に斜めから突き刺さる。
『直死の魔眼』が捉えた寿命そのもの、生命の根源を示す『点』に着弾。
生命の存在を壊されたかつて祖国を守る使命感に燃えていただろう少女は灰となってその場で消えた。

撃墜記録更新。
交差してから再度攻撃態勢に映るべく緩やかに旋回しつつ上昇。
首を後ろに回して戦果確認。予想なら教本通りの理想的奇襲を受けて無傷で済まない。
まして501は各国から集められた精鋭、瞬時にケリがつく。

「大尉、あいつら落とせてないぞ」

インカムからエイラの音声。
馬鹿な、と問う前に確認。たしかにそうだった。
敵は4機中半分が生存、エイラの口ぶりから私とエイラしか当たらなかったようだ。
しかも、シャーリー、ルッキーニペアは追われている側になっている。
くそ、撃ったが見た目が人だからハズしてしまった口か。

「何をしている!早く離脱して次の攻撃を実行しろ!」
「わ、わかっている、わかってるって」

叱責するが反応はよろしくない。
マズイ、シャーリーが心理的に追い込まれている。

「ひ、こ、来ないで!」
「落ち着け、落ち着くんだルッキーニ!」

エイラも呼びかけるが駄目だ、ルッキーニも恐怖に飲み込まれている。
あの高速コンビが普通なら問題ないがあんなもん相手だからッ・・・ええい!

「私についてこいエイラ!」
「了解!」

やるべき事は簡単、こっちが撃ち落とすだけだ。

「ほろほら、こっちこっち~。」
「さあ、こいこい。」

エイラ、私が挑発するようにネウロイの後ろから当たるか当たらないかの距離で発砲。
追いかけている自分が逆に狩られる側に転落したのを分りすぐに乗ってくれた。

縦回転で方位転換、私たちの正面に。
ははん、ヘッドオンで仕留めたいのか。
お互い正面から撃ちあい衝突に相打ちも起こりうる危険な戦闘。
訓練学校なら零点確実、まともな魔女は自分がやられる可能性にわざわざ賭けない。
 
でも残念。唯の魔女ならば、だ。
こういうのにも慣れた私に、未来予知で弾を避けるエイラ。
相性が悪いことこの上ないのだ。

「・・・・・・!」

グングン接近する。
先手を打たれ何発か前面に張ったシールドに着弾して火花が散る。
しかし大丈夫、撃つのが早すぎるからシールドを張る余裕があり脅威でない。
死体の元の人物をコピーした戦闘力とすると新兵だったと判断できる。

「終わりだ」

コンマ数秒、絶対当たる最高の距離。
足を強引に動かし真横に機動、視界はネウロイの横で上下逆さまに変化。
横から撃ち放題ということになった。

「――――――。」

ネウロイはそんな私に表情がない面で視線で追っていただけだった。
見られる、否視姦される気分。じっと不気味に興味深いモルモットとして観察する死んだ魚のような眼。
グロテスクな肉塊とメタリックボディ、生前の制服が混ざり人間に嫌悪感しか湧かない姿。

気持ち悪い、不気味だ、不愉快だ、今すぐ殺したい。
魔眼が捉えた映像情報から分析もしたくない。

発砲

吐き出された弾丸は無慈悲に上半身をミンチにし、慣性と重力にしたがい落下してゆく。
本日2体、人の形をしたのを殺したけど何の感情も浮かばなかった。

「状況報告」
「こちらエイラ、こっちも撃ち落とした。」
「シャーリーだ、その、あの・・・。」
「・・・大尉のおかげで助かったよ。」

エイラは変わらぬが凸凹コンビの弱弱しい対応。
刺激が強すぎたよな、あれは・・・。

おっと、周囲を確認。
敵影確認できず、つまりは戦闘終了。
シャールッキーニコンビも合流しつつある、後は送りオオカミを警戒しつつ基地の戦闘に参加するだけ。

「言いたいことは帰ってからだ、
 基地の戦闘に参加する。全員、最大戦速で行くぞ。」

返事を待たずに基地の方角に向けて魔道エンジンを吹かす。
後から残りの3人も色んな返事を返しつつ、ついてゆく。

「うん?」

ふと見られている気配を探知。
警戒心を最大に。視線をあちこち回すが見当たらない、襲ってこない。
さっきまで戦闘ゆえに気が立っていたのかもしれん。

さて、行こう。
501の皆のために。
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4月15日の昼食、夕食、晩酌

2011-04-15 21:53:50 | 日常
昼食


・酸っぱすぎたなます
・台湾魚振りかけ
・麦飯
・豚とこんにゃくの醤油煮込み
・キュウリの中華風漬物


夕食


ワカメと菊菜、鶏挽肉の中華出汁のチャーハン


晩酌


・豆腐のオイスタ―ソース炒め
・カツオの脇腹
・豚の中華風煮込み
・中華風キュウリ漬け
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最前線-Ⅲ (ヴァルハラの乙女たち)

2011-04-13 18:49:26 | 習作SS

視点:バルクホルン

人型ネウロイ
<原作>の小説版でいらん子中隊のメンバーに化けて人類に牙を剥いた。
アニメ版では1期、2期に登場して一体何をしたかったのか分らぬまま2期の最初でネウロイに攻撃されて消滅。
結局人型の姿をとった上で宮藤にネウロイの巣に案内した核心的理由が終ぞ判明しなかった。

なぜこの時期に現れたかは不明、
確実に言えることは私にとっては仇打ちの機会かもしれない、ということだ。
故郷、カイザーベルク(ケーニヒスベルク)で絶望的数のネウロイと共に奴は私の前に現れ、妹を殺した。

「・・・・・・。」

手に持つMGの感触がいつもと違う。
少し発汗、重量感もいやに重く感じる。
元の世界では描写されなかったが、弾を詰め込んだ肩掛けバック、首に掛けた望遠鏡も一段と肩に食い込む。
足に履いたストライカーユニットだけは変わらず空気中のエーテルをかき回し、轟音を空にに響かせる。

『バルクホルン大尉!』
「み・・中佐?」

耳にさしたインカムからミーナの声。

『追加命令と追加情報です。
 まず司令部より可能なら捕獲せよ、次に新たな人型ネウロイが2機同じ地区に出現とのことです。』

「は・・・?」

増えただと、それだけはいい。
だがだ、捕まえろなんてむちゃ言うな。
時速数百キロの速度で三次元機動する物体を捕まえろとか。

『あくまで「可能なら」という条件なのでバルクホルン大尉の好きにしてもかまいません。』

あ、なるほど。
「そのまま撃墜してもかまわない。」という選択の猶予が存在するのか。
ならば遠慮する必要性はなくなった。

「了解しました、中佐殿。」
『無茶はしないでね。』

そう言って通信が切れた。

ミーナとのやり取りをしている間に目的地に随分近付いたハズ。
無意識に、私の魔力の鼓動とエンジンの鼓動が上がったのを感覚的に捉える、我ながら緊張しているようだ。

「大尉ー!」

爆音ゆえにインカムで捉えた音声であるが反応的に顔を正面に向ける。
声の主は、ルッキーニか。

「る、フランチェスカ少尉、何か見つけたか?」
「うん!11時方向の下に一瞬キラッ、て赤く光ったよ。」

前衛に位置するルッキーニからの報告に見えない緊張感が私たちにに走る。
魔力がもたらすいくつかの加護の中でも、視力強化でずば抜けて高い成績を誇るルッキーニが言った内容はただ一つ。
敵がいると思われる、それだけだ。

「数は?」
「わからない・・・うーん、たぶん2つぐらい。」

曖昧な答えを聞き流しつつ指揮官用の望遠鏡をおもむろに覗く。
雲に阻まれたが、映ったのは米粒ほどの大きさの、人の形をした黒い物体が4つ。

情報が正しければ人型ネウロイだと、思う。
片手で収まる程度の望遠鏡だから何とも言えない。
基地のデーターで識別してもらおう。

「こちら、バルクホルン。聞こえますか?
 ただいまネウロイと思しき勢力に接触、識別をお願いします。」

『こちら501司令、
 こちらからの確認では敵だと思われます、ただちに攻撃を。』

「了解、識別感謝する」

『こちらも・・・ザ、・・あ、z――t、けい―――。』

くそ、こういうことか!?
無線妨害自体は珍しくないがこのタイミングで来るのが明らかに変だ。
となると、眼前の人型ネウロイは囮で、本命は原作と同じ基地。
畜生、朝来なかったから来ないと思い込んでいた自分が憎い。

「大尉!」

今度はシャーリーから余裕がなさそうな通信。
やられたのは長距離無線の周波なので近距離のはまだ通じる。

「言わなくても分っている。
 全機、安全装置解除。命令は見敵必殺!繰り返す、見敵必殺。突撃せよ!」

各自がMGの安全装置を解除し、
巡航速度から最大戦速へ切り替え眼下の敵にめがけて一斉に突撃。
シャーリーとルッキーニ、私とエイラで組んだペアごとに一刻も早くネウロイを倒さんと競う。

小型の奴に魔眼を使うのは負担的に躊躇したいが
基地が襲撃されているのを考慮すると時間がない、やるしかないのだ。

「ッ・・・!!」

脳内でチャンネルを変換するイメージを組み立てる。
幻想という歯車が現実とかみ合い連動、瞳に映る視界が徐々に変化してゆく。
魔法で強化された視力以外の能力、点と線でできた死の世界が具現化。

『固有魔法、バロールの眼、』

あるいは直死の魔眼といった方が分りやすいだろう。
通常の輪廻から外れ異世界転生という例外中の例外の事例ゆえに得た私だけの能力。

最初、一度は中2的にあこがれた能力を得て年相応に喜び興奮したのはもう10年以上前だ。
が、途中でなぜ元となった創作上の人物たちがこの眼を潰そうとした気持ちが理解してしまった。
なぜか?単純に人の器には合わない、合ってはならないのだ。

幾分人の常識から外れる魔女でも『死を認識できる』能力は精神的負担が大きすぎる。
ましてや私は物語の主人公たちのように頑丈な精神構造はない。あるのはSAN値直葬。
結果無邪気に喜んだのはほんの10秒で後は醜くもがき苦しみ、無様に自滅しそうだった。

顔は分らない老人に助けられなければ。

「う、ぐ・・・。」

回想に浸っていた所でシャーリーのうめき声に意識は現実へ。
原因は大方標的が人の形をしてるので擬似的に人間を殺すと思い込んでしまっだろう。

「おい、なんだよアレ。」

地上ではヘタレでも戦闘ではクールなエイラの戸惑い。
妙だ、シャーリーはともかくこの北欧のエースは冬戦争からの超ベテランが戸惑うとは。

私は改めて目標を視界に入れる。
米粒ほどの大きさだったネウロイは今や細部まではっきり見える大きさだ。
4つ、人の形をした人類の敵。どれも全体的に黒く、金属質のボディと蠢動する赤い肉質・・・・・は?

「ねえ・・・シャーリー、アレはもしかして。」
「言うな、ルッキーニ!!」

人型ネウロイが4体、それはそれで予想外だがまだいい。
問題は明らかにブリタニアのウィッチ所属のカーキ色の制服と蠢く赤い肉片がネウロイの黒と混ざっている点。

「ウィッチの、死体を・・・利用している。」

エイラが代表して皆の考えを言った。
考えてみれば<原作>では洗脳なんて手段で人を乗っ取るの芸当ができたならば、死体を利用するのも可笑しくない。
命名はネウロイならぬネクロモーフとつけるべきか?

「・・・こちらバルクホルンだ。
 皆、アレを見て言いたいは私も全力で同意だ。」

アレらは39年に出会ったのではない。
能力も未知、どんなことをしてくるか不明。
断定できるのはともかく厳しい戦いになるということ。

「だが、ここは最前線。ウィッチとして、軍人として義務を果たせ!!」

彼女たちに呼びかけるが実のとこ、自分自身に言いかける。
私でも正気を保つに限界がある。

「奴らを殺せ!!」

ここは最前線。
殺さねば殺される、それが真実。
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最前線-Ⅱ (ヴァルハラの乙女たち)

2011-04-10 14:59:32 | 習作SS

視点:ミーナ

欧州大陸よりネウロイ襲来、この報告は別に珍しくもなんともない。
欧州が陥落して以来、欧州圏では島国であるブリタニアが最後の防波堤としての役割を担っている。

ネウロイは海や河といった地形に弱く、空を飛ぶタイプを除けば進行は限られる。
だから大抵わざわざ海を渡ってでも来るのは単騎で大型の奴か、少数の編隊を組んだ小型と相場は決まっている。
最短距離を目指すならドーバー海峡を渡らざるを得ず、その時は自分たちの出番だ。

だが、だ

「ネウロイハ2機ノミ・・・。」

ロンドンの防空司令所から送られた電文を淡々と読み上げる。

「機影ハキワメテ人型ニ似テイルト思ワレル、注意サレタシ。」

人型
その単語にミーナは悪い予感にとらわれる。
だいぶ前、スオムスにてウィッチを模したネウロイが出現したことはロンドンに行った際、
その現場に居合わせ、交戦したというビューリング大尉から直接聞いた。

だからただ人の形をしたネウロイには驚きはしない。
問題はなぜ単騎でノコノコとブリタニアに来るその意図が読めないということ。

さらに―――。

「ミーナ!敵の情報を教えてくれ!」

指揮卓に置いてある隊内電話が鳴り響き、受話器を取るとトゥルーデの声が聞こえた。
声のほかに爆音が鳴り響き、どうやらすでに格納庫でユニットを吹かしているようだ。

「人員は?」
『私、イェーガ、フランチェスカ、ユーティライネンが今ユニットを履いている。』
「坂本少佐は?」
『どうも、離れで鍛錬していたらしく、遅れるとか。』

舌打ちをしたくなる衝動を抑える。
かわりにミーナは指で指揮卓を軽く鳴らし思考を展開する。
トゥルーデは大戦初期から、しかも扶桑海事変にも参加している超ベテラン、遅れを取ることはない。
加えて彼女の固有魔法は「バロールの眼」と称される神話クラスの最強の魔眼を保有している。

そう、問題はない。
ないのだが、

「ブリック東114地区、高度は約6000、2機よ。」
「種類は?」
「極めて人型に似ている、と司令部は連絡してきたわ。」

人型、それで息を飲んだ気配をミーナは感じとった。

『誤報、ということはないよな?』
「続報はないから、今はそうだと認識して。」


―――さらにはもしやあの時、戦友にして友である人が破滅するに一役を買った奴だとすると。


『了解した、これより
 イェーガ、フランチェスカ、ユーティライネンの4名で当該戦区へ出撃、敵対勢力を撃破する。』

「よろしい、出撃しないさい。」

命令を下し受話器を置く。
後は彼女たちの働きようを信じるしかない。

ミーナは思う、
人型ネウロイはトゥルーデにとってトラウマそのもの、部下、肉親を殺した存在。メンタル面で不安が残る。
彼女を外し美緒、あるいはシャーリーに任せてしまう、という手もなくはないがそんな時間はない。
指揮官として一分一秒を争うこの場面でそういうことはできないのだ。

「・・・ほんと、ままならないものね。」

窓の外の青空にのびる4本の飛行機雲を見て呟く。
どうにもならない現状にミーナは現実への達観といらだちを覚えた。

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