「誇」-URAWA REDS-
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すっきりしない今シーズン。
首位との勝ち点差は10。
離されずについていけば必ずチャンスは訪れるはず。
勝ち点3、どうしても欲しい。
 
既に現地入りしている仲間に急かされるように浦和を出発。
天気予報は雨、しかも寒くなるとのこと。
薄日が差し暖かい浦和、傘とポンチョが邪魔くさい。
飛田給駅12時40分着。開門には間に合った。

「落ち着くこと、急かさないこと」
自分自身に言い聞かせる。
15時。選手がピッチに出ると同時にゴール裏から雄叫びが上がる。
“今日は「特別」だから”
“選手へのプレッシャーにならなければいいな・・・”
A自由席からGIアウェイ席へ人が流れ出す。醸し出される一体感。
こういう時のウチは強い。
 
負傷欠場のネネに代わり内舘。「高さ」のオプション、梅田がリザーブに入っている。主審は鹿島戦の吉田氏。
“大丈夫、アルパイいないから”
「跳ねること、声を出すこと」
僕にできることはこれだけ。
開始5分、仲間の子が嘆く。
“足、攣りそう”
いつもはそんなに跳ねないのに。
“だってウチの一週間が懸かってるんだから!ずっとお父さん機嫌悪いし”
この娘のためにも勝ってくれ。
スペースを消し合う両チーム。いつもと同じサッカーをして来た東京。
時折見せる剣ははやり鋭い。
“嵌るなよ、急ぐなよ”
20分頃、左PA付近でFKを得る。
“ちっ、PKじゃないんだ”
“エメ?アレ?”
左足から放たれたボールは壁に捕まる。
“エメ、蹴りたかったんじゃない?”
ルーカスに仕事をさせない坪井、左をケアする内舘、安定感ある堀之内。
“あれ?4バックだ”
相手の抉るような攻撃が潜んでいる。
 
後半立ち上がり、東京が来た。
守勢に回る浦和。
“我慢だ、耐えてくれ”
3分。中央から右に開いた長谷部へ、クロスボールをエメが決める。
相手の隙を突く見事な先制点。試合も僕の気持ちも一気に優位に立つ。やっとピッチ全体が見えるようになった。緊張してたんだ、自分の方が。
ちょっと不安定なジャッジも気にならなくなっている。
63分、アレックスout平川in。
治療のためピッチ外にいたアレックスは戻る気十分だったのに・・・
74分、CKから追加点。堀之内が決める。
“どフリーだよ”
1試合ごとに逞しくなるホリ。
“もらったぜ”
“無失点で行こう”
“達也に取らせてやりたい、後は達也だ”
 
刻一刻と刻まれる時間。試合終了が待ち遠しい。
最後まで集中を切らさない選手たち。
2-0、完勝。
勝利がこんなに嬉しいなんて。

ひとつひとつ、階段を昇っていこう。

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