アンティークマン

 裸にて生まれてきたに何不足。

就活のはじめは大学選びから

2009年05月24日 | Weblog
知人の息子さんが、石川県石川郡野々市町にある金沢工業大学へ進んだ。MITならぬ、KIT(Kanazawa Institute of Technology)。首都圏にも、工業大学、総合大学の理工関係学部がたくさんあるのに、どうして遠路、石川県石川郡の大学へ?大学の内容を知るまでは不思議でした。
 金沢工業大学の偏差値は、44~53(学科とか入試方式で、偏差値に差がある。偏差値があたかも悪者のような考えがありますが、私は、「偏差値が大切」という考えです)。大東亜帝国程度の偏差値。入りやすい大学でしょう。首都圏私立大学は、「早慶上ICU→SCRAM(orMARCH)→日東駒専成武独国→大東亜帝国」…予備校によって評価が違います。皇室御用達で麻生首相の母校である学習院大学はこのような序列評価には顔を出しませんが、早慶上ICUの次に来るでしょう。

 閑話休題。KITについて私の勉強が足りないことが分かりました。凄い大学でした。
「夢考房キャンパス」なのだそうで…「学生を手厚くサポートする大学」として、大学、企業間で有名な大学でした。入学は易しく、入学後は、手を変え品を変え、補習・バックアップシステムを二重三重に構築。そして、驚異の就職率。

 自習室は年中無休で24時間オープン。ソーラーカー。ロボット。数理工教育センター。金沢の中心市街地で行われるあかりプロジェクト「月見光路」。産学連携教育。地域連携プロジェクト。文部科学省の「現代的教育ニーズ取組支援プログラム」。資格取得を万全の体制でサポート。英語力を確実にアップ。文章作成能力向上。学生参加の地域コミュニティ放送。年間約340日開館の理工系専門図書館・・・実に手厚く、しかも楽しそう。
 県外から入学する学生が7割。学生の多くが寮生活を送っている。

 2008年度の就職率は、99.5%。就職先の企業は、過去の実績も含めると、JR東海、トヨタ自動車、デンソー、アイシン精機、本田技研工業、日産自動車、富士重工業、三菱重工業、日本IBM、ソニー、NEC、富士通、オリンパス、キヤノン、シャープ、松下電器産業、日立製作所、三菱電機、富士ゼロックス、横河電機、小松製作所、澁谷工業、清水建設、積水ハウス、大和ハウス工業、大日本印刷、北陸電力、YKK・・・理工系の学生にとって、垂涎の企業ばかり。保護者は、KITへ我が子を入れたくなります。

 どうしてこれほどまでに凄いのか?
・ 就職指導は、1年生から
・ 個人面談や模擬面接などのきめこまかい指導
・ 就職カウンセラーが5名
・ 現場で働くエンジニアや人事担当者による企業合同説明会や講演会の開催
・ 企業セミナーや会社訪問のため、東京、大阪、名古屋へ就職支援バスを運行
・ 教員の5割が企業出身者なので、教員みずから企業訪問
・ 教員および就職課が訪問する企業数、年間2,000社

 これほど、学生の就職支援に一生懸命な大学はありません。凄いと思います。特に印象的なのは、「企業セミナーや会社訪問のため、東京、大阪、名古屋へ就職支援バスを運行」ということです。首都圏の企業を訪問する地方の大学生は、ウイークリーマンションを共同で借りるなどして、就職活動をしています。交通手段は、長距離バスが主体です。お金と時間が問題です。その点、「支援バスの運行」これは価値があります。 
 最大の強みは、「教員の5割が企業出身者」というところ。「おい!人事担当、うちの学生を採れや!」「あ、先輩!分かりました」と、なるかどうかは分かりませんが、有利に作用することは間違いないでしょう。
 今年度は、「就職の超氷河期」だそうで…企業が求めるのは、「即戦力」。KITの4年間にわたる就職指導、独壇場でしょう。

就職活動は、高校3年生で受験大学を選ぶ段階ですでに始まっている。

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