兄の依頼で、兄嫁の備考を依頼された弟。
盗聴器を仕掛け、兄嫁の行動を追うのだが、
彼女は、行きずりの男に身を任せ、その後、一人で海辺のホテルへ。そして、自殺をほのめかす言葉を残し、海岸で姿を消した。
その10年後、プロの探偵になっていた弟のもとに、一人の女性の捜査の依頼がくるのだが、そこからが、また、興味深く、物語が展開する。
さまざまな悲しみが描かれているのだが、ほのかな温もりも感じられて、うまくまとめられていて読み応えあり。
作者は監督でもあるせいか、この物語を読んでいると、どんどんいろんな映像が浮かび上がり、勝手に映画化している自分がいる。そのせいもあって、楽しめた1冊。