老人ホームで死を待つ真市の下に届けられた1通の手紙。それは、終戦間際の沖縄での遠い記憶を呼び起こすものだった。
19歳の真市が、逃亡兵となって、
苦しく辛い日々を送ったあの暗い日々。。。
同じ村のチヨと、生きているはずがないチヨの幼い子を探して、過酷な戦場を探し回ったのだった。
絶望の中で、逃げ惑う人々と、希望をなくした兵士たち。
そんな人間たちの心理描写が克明に描かれ、
痛々しく、哀しく、胸に迫るものがある。
戦争。。。
それは、人々の心までも壊してしまう恐ろしい出来事。。。
罪のない人々が、何故に、恐怖を味わい、
死んでいかねばならなかったのか。。。怒りと悲しみに胸が痛む。