もんく [とある港街の住人]

常に細かいところから

工場の仕事の中では、不具合は常に細かい部分で発生する。

これは99%真実である。


工場と言う場所の中には大きく分けて2種類の人間が働いている。大部分を占めるのは肉体労働者。それ以外は何らかの管理の仕事を受け持っている。管理する方は工程の流れを考えたり正したりする。そしてマニュアルを作ったりもする。

マニュアルだけ見せられれば完璧であり、これで不測の事態は起こり様が無いと思えるものさへある。ただ、不幸にも完璧なマニュアルを用意しているところに限って不具合は発生する。マニュアルが完璧で、マシンは整備され、原材料は仕様に沿うもので、どうして不具合が出てしまうのか?

管理者は考える。労働者がマニュアルに従って作業していないのだ、と。よくあるのは、新人の作業者が工程に入ってスキルが劣るのだ、と言うのもある。

そうなると作業者はかわいそうだ。十中八九、責められる。責任者は顧客へのレポートにしっかり教育します、などと書く。結果、ほとんど何にもならない。


後でよく観察するとわかるのは、その新人作業員がマニュアル通りの作業をしていなかったか、と言うと、そうでもない。ちゃんとしている。要はマニュアルがあってもダメなのだ。マニュアルは作業者のガイドラインとして作成されているのが建前であるけれども、実際は管理者が自分は仕事をちゃんとあいているよ、と言う証拠に作っているに過ぎないのだ。

いやいや、そんな事はない、と反論する人は多いだろうが、実際にそうなのである。なぜなら、新人作業員がその作業に右手をどう使い、左手をどう動かすと正しくできて効率的で疲れないよ、などとはなっていない。これをやりなさい、あれをやりなさい、と何をすべきかが書かれているだけで、どうしなさいと言う部分は何もないのが普通だ。

それで、不具合はいつでも細かいところに発生することになっている。
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