風の向くまま薫るまま

その日その時、感じたままに。

地球〈テラ〉へ… Part5フィシスとトオニィ

2017-03-06 10:39:48 | 雑論










フィシスは15歳より以前の記憶がない。

ある日突然目覚め、その時が目が見えず、外出も許されない状態に置かれていました。



成人検査の結果ミュウの因子ありと判断され処刑が決まった、その時、ソルジャー・ブルーによって救い出され、以来、

ミュウたちと行動を共にするようになります。


フィシスはキースと同じように、培養槽のなかで人造細胞から育てられた人造人間だったのです。しかし盲目で生殖能力もない失敗作だった。


ソルジャー・ブルーはそんなフィシスを助け、予知能力を分け与えて、ミュウとして迎え入れたのです。


なぜそんなことを?ジョミーは思います。

ソルジャーはフィシスを、ミュウと人間の間を繋ぐ、「女神」として見ていたのだろうと。


人として「失敗作」の烙印を押され、行き場のないフィシスに、自身と同じものをソルジャーは感じていた。


ジョミーはそこに、ソルジャーの優しさを見るのです。


そのフィシスの卵子を元に作られたのが、キースだった。キースとフィシスは、いわば「親子」なんですね。



ソルジャー・ブルーは、そんなフィシスの持つ地球〈テラ〉の映像を見ることで、勇気を得てきた、希望を繋いできた。ジョミーは思います。大切なのはそこだ。

例え本物のミュウではなかったとしても、フィシスの存在がソルジャーを支え続けたのだ。ソルジャーにとって、ミュウにとって大切な「女神」。


それが、フィシス。




********************



闘うことを決めたミュウたちが第1目標としたのが、育英惑星アタラクシア。


トオニィら「ナスカ・チルドレン」はESPシールドに身を包み、宇宙空間を自在に飛び回り、精神波による幻覚を見せて惑乱し、念動力で戦艦を沈め、次々と撃破していく。


アタラクシアへ到達し、ジョミーはアタラクシアのコンピューター「テラズ・ナンバー5」と対峙します。激しい思念波合戦の末、これを破壊するジョミー。



コンピューターの楔から解かれた人々。やがて人間の子供とミュウの子供たちとが交流をはじめ、はじめは恐る恐るだった保父母たちも、ミュウの子供の世話をするようになっていきます。


「母親とはそういうものだよ」、年かさのミュウがジョミーに語り掛けます。僕のマム(母)もそうだろうか?だったらいい、と思うジョミーでした。



アタラクシアを落としたミュウは、地球〈テラ〉への進撃を続けます。敵を次々と撃破するナスカ・チルドレン。ジョミーはトオニィらに次々と作戦を命令します。それを淡々とこなしていくトオニィ。



ナスカ・チルドレンの少女、アルテアが泣きながらトオニィに訴えます。戦えば戦うほどに、自分は化け物だと自覚するばかり、このまま地球〈テラ〉へ行っても、私たちの居場所はないのではないかと。


トオニィは言います。ジョミーはナスカの責任をその思いのすべてで償おうとしているのだと。


トオニィはシャーレの中に意思の力だけで精子と卵子を出現させ、受精させます。僕たちは厳密に言えばもう、人間じゃない。僕たちはどこへ行っても生きて生ける。でも


シャーレの中の受精卵を消滅させながら、トオニィが言います。でも今は、ジョミーに力のすべてを捧げたい。


自分たちをこの世界に誕生させてくれた、ジョミーの想いを遂げさせるために。



トオニィがアルテアに語り掛けます。感じないか、アルテア。

自分が宇宙に漂う際限ない力の中のひとかたまりだと。


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S.D体制発足以来の未曽有の危機の出来に、地球〈テラ〉政府は2世紀の間置くことのなかった、国家元首を置き、強い権限を与え事態の打開を図ることになります。その国家元首に任命された者こそ、


大コンピューター「グランド・マザー」の申し子、キース・アニアンでした。





つづく

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