あけぼの

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クロ猫「ミュー」と過ごした日々

2009-01-24 07:51:50 | ブログ

  60歳でアメリカに家を入手、17年経た今も維持し暮らしている。1,200坪の林の中の敷地に84坪の古家だが、日本では想像し難い楽しい暮らしを経験してきた。鹿やアライグマなど多くの動物や鳥たちが目の前で行き交う自然の中の優雅な住いだ。国際空港まで車で35分、日本と行き来しながらアメリカ42州と中南米の旅を重ねた。旅はここを基地として悔いのないほど国内外を駆け巡り、多くの異文化体験も得た。終の棲家は暖かい南洋の島々と決めて調査を兼ねた旅を続けた。タヒチ、ラバウル、フィージー、チューク、ハワイ、グアム、ペナン、コタキナバル、ベトナムと、どこにも日本人がいた。折りしも、府中市の最初の家にある事情が発生したので、ノックダウンし、新築することにした。いずれ終の棲家として使えるだろうと思っている。コミュニティーの館として他人さまのお役に立てれば有難いと考え、パーティー向きの大広間を作った。

 一生に3軒建てて初めて自分の住める家になると言われる。家を追っかけて50年、家族構成や成長、生活環境の変化に即応した家を建築したつもりである。還暦前に転勤で赴任したアメリカの暮らしも計20年弱経験したことだし、思い残すことはない。なお、今までの建築資金は最初を除き必要に応じて銀行からその都度借りたが返済したし、アメリカの家は退職金プラス・アルファーだったので借金はない。勿論金融資産もないし貯金額は少ない。

 わが家の歴史を振り返ってみた時、子供たちの学齢前、小さく狭い家で家族全員がクロ猫「ミュー」と共に過ごした日々が一番幸せだったような気がする。持てるお金はぎりぎりだった。精一杯生きる暮らしが懐かしい。なんと貴重な日々だったことか。

喜寿を前に(自悠人)