あけぼの

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郷愁を呼ぶベトナム 完

2008-07-22 11:27:32 | アート・文化

   翌日、警察に行った。警察の見解ではスープの値段は確かに高いことは認めた。が日によって値段が違うから確かめようがない、と軽くあしらわれた。領収書についてはその場でレストランに「脱税の恐れ」と電話してくれた。「渡した領収書を持って店に来てくれれば新しい領収書と取り替える」と言ったようだが私たちにはその必要がなかった。毎日騙せる外人カモを物色している奴から再び犠牲者が出ないように、との思いで警察に行ったのだった。領収書のコピーは警察に残されている。奴も警察から忠告の電話がかかろうとは予期しなかった筈だ。騙すインテリ・マネージャーに反し、裏通りの土壁に鏡を吊るして僅か1ドルほどで櫛を使って真面目に散髪をしてくれた青年は明るく爽やかだった。途上国の旅ではよく散髪をするが、安いし客たちとコミュニケーションが楽しめるからだ。

 総じて発展途上のベトナム、昼夜を問わず懸命に働いている人たちが印象的な残像を脳裏に残した。いつかは車社会に移行するであろうが、大気汚染は益々厳しいものとなるだろう。列車とサイゴン川移動船では悠々たる大自然の営みに心が和んだ。(自悠人)