この小田原には色々な川辺の風景がある。個人的には川の流れが海とぶつかる河口の風景が好きだが、川の流れが始まる小さな泉の風景も素晴らしい。川の源流や湧水地は山深い場所にあることが多いが、小田原市久野の広域農道周辺には湧水地帯が何ヶ所かあり、たまに森林浴を兼ねて小さな泉まで散策に出かける。 小田原市久野の坊所に柳の水という小さな湧水地がある。農道脇から5分ほどの場所。いこいの森の下の広域農道の十字路をフラワーガーデン方面に進む。 十字路からしばらく進むと上坊所橋に到着。橋の下には日陰沢が流れている。この周辺の山側は雨が多く降るとあちこちから水が湧く。 上坊所橋を渡り山側の脇道を曲がる。周辺には茶畑が点在している。 道沿いの秋葉神社の石段の前を通り過ぎると、道が二手に分かれる。柳の水へは左側の道を下る。 左の道を下ると程なく未舗装の作業道が森の中に続いている。しばらく森の中の作業道を歩くとフェンスに囲まれた場所が見えてくる。そこが柳の水という湧水地である。 フェンスの中には石碑と近年まで使われていた簡易水道の取水口と思われるコンクリートの構造物が設置されている。 滾々と水が湧き出ている柳の水。風土記稿によると弘法大師手植えの枯れ柳の伝説から柳の水と記されるようになったらしい。この柳の水を使い、明治時代の数年間、酒造りも行われていたとのこと。昔から坊所周辺の人々の暮らしを支え、田畑を潤してきた柳の水は、今も綺麗な水が湧き続けている。
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只本当に残念なのは、この中に洗剤やプラスチック等の成分が溶け込んでいるのかと思うとゾッとします。ゾッとすると言えば、この場所は自然豊かなだけに一年を通して湿度が高く、蛭・ハチ・ヘビ等の危険生物にとっては快適環境の様です。訪れる際には手に軍手、頭に帽子、首にタオル、長袖長ズボン、靴は長靴等の防備が必須です。でもやはり一番は、君子危うきに近寄らずでしょうか。