石匠風間ブログ!

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スウェーデン・モデル

2009-12-08 | 社会・出来事
スウェーデンといえば福祉大国として有名だ。教育や医療にお金がかからないなんてよく聞くが、それだけ聞くとユートピアのようだが実態はどうなのだろう?と思っていた矢先にこんな記事を見つけた。スウェーデン在住日本人のレポート。

スウェーデンモデルは成功か失敗か


ほ~う、ホントに小学校から大学院まで無料なのか。教材・文房具や給食費まで無償ってすごいな。
医療費のほうも全額無料って、そんなんで大丈夫なのかね?

いや、当然それに見合った税負担があってのことだとは想像できるけどね。けれど

税の負担率は、数字だけを比較すれば確かに高い。しかし、筆者は「税金が高い」とぼやくスウェーデン人を1人として見たことがない。国民の多くが「(政府ではなく)自分たちが選択したことだから」「自分の将来や子どもに返ってくるものだから」と認識し、不満を感じる人はほとんどいないように見える。

 「重い税負担が国民の肩にのしかかっている」と批判するのは、国外のとりわけ日本と米国の学者と政治家ではあるまいか。

だそうだ。
とはいえ、記事冒頭にある通り世界不況の波がスウェーデンをも揺るがしているらしい。この記事は福祉国家を肯定する立場から書かれているから、諸問題を検討するには至ってない。
けれど「社会科学の実験国家」と呼ばれているこの国は、社会状況の変化に伴い割と簡易に法律を変えられるそうだ。将棋で言うと「カルサバ」(=軽く捌くの意)ってとこかな、対応力が半端じゃないみたい。

まあ、なんにせよ問題ゼロの国家なんてありえないしそれなりの労苦もあろうが、単に金持ちかどうかではなく幸福感を持っているかが大事なポイントで、実際暮らしてみなきゃわからないけどこの記事からは幸福感が伝わってくることは確か。

社会主義的システムによって成り立っているのだろうから、高度資本主義社会たる日本では相容れないのかな。それでも学ぶべきところは大いにありそう。


紅葉

2009-12-06 | 地域・暮らし
TS380503.jpg
これは2週間前の画像で、もうかなり散っちゃいました、あしからず。

当店の庭は芝生と石の造形物で構成されているのだけど、脇にもみじが1本だけ申し訳なさそうに立っている。こいつが赤く色付くのを毎年楽しんでいる。それも歳をとるごとに良さを感じられるようになってきた。

1本だけだから観光地のようにド派手な彩ではないけれど、その地味さすらもかえって味がある。
きっと人間も、あるいは人生も、通ずるところがありそうだ。

これはユーミンより陽水が歌にしそうだ。


深谷岬塾の終焉

2009-12-04 | 雑記
TS380505.jpg12月3日(木)きんとう旅館にて

5年にわたり地道に活動していた深谷岬塾がついに最終回を迎えた。何度かその様子を記事にしてきた、記事一覧は以下。
深谷岬塾の記事一覧

綱領によれば「先哲の思想を学ぶことにより 日本人の精神的支柱となる和魂を確立し、そこにとどまることなく社会に貢献する」ことを目的としている。何かとても近寄りがたくお堅く感じられるかもしれないが、厳しくまじめなだけで5年も続くはずもないw楽しかったから続けてきたのだ。

日本史を楽しむ的な側面が大いにあり、元々ぼくは歴史好きだからすんなりあたりまえのようにはまって行ったけど、他のコアメンバーも元来本嫌いだったり歴史知らずだった者が「あれ、こんなに面白いの?」みたいな気づきをもたらされて引き込まれていったと思う。

そう、本来歴史は無茶苦茶面白いのだ。学校の授業の「歴史」だけに囚われて嫌いだと決めている人がいるが、もったいない!と言いたくなる。まあ、それだけ岬先生の講義がうまかったのだろうけどね。

岬先生は日本の歴史的人物に脚光を浴びせるのみではなく、それを踏まえてこの混沌の時代に我々はどのような覚悟を持って生きていくべきかを唱えていたのだと思う。我々のような無学の徒にとって稀有な存在である。

そんな楽しい塾を何ゆえ閉めるのか。先生の教えに忠実であれば前を向いて生きることになるしやはり五年続けているとどうしても馴れ合いが発生する。そこでひとつのけじめとして一度仕切りなおしをすることになった。
ただしたとえ閉塾してもメンバー間の絆は石のごとく強く海のように深く形作られたと自負したい。だから今後深谷岬会として新たな境地を目指すことになった。

何をやるかは決まってないけどね(笑)

とりあえずメンバー諸兄、おつかれさま!


NHK『坂の上の雲』

2009-12-01 | テレビ・映画・芸能
とても感動した小説だったからこれを見過ごすわけには行くまい。スペシャル大河として3年にわたって放映するそうだ。とりあえず第1回を見ての感想。

まず良いところ。
◆NHKらしく大物俳優をこれでもかってくらい使っており、個人的には特に秋山好古の阿部寛がいい、イメージにぴったり。
◆時々入る当時の白黒映像、効果抜群だ。うまく言えないけど日本をいとおしく思える。
◆実際に明治時代の街並みを知らないけれど、おそらくこうなのだろうという説得力がある映像。舞台セットがちゃちくない。金をかけてるのがわかる。

悪いところ。
◆原作に忠実とは言いがたい。高橋是清(西田敏行)が真之の教師役で出るけど、いくらフィクションとはいえおいしく作りすぎだろ(あれ?原作も出るのだっけ?)
◆大河らしいといえばらしいのだが、無駄なカット多すぎ。秋山真之(もっくん)の顔ドアップが全体の半分くらいある。
◆韓国ドラマかと思うような大げさな出会いor別れシーン、逆にしらける。「歯を見せるな!」って育てられた明治の日本男子がいちいち奇声を上げたり涙を流したり抱き合ったりしないだろ。米ドラマのように淡々と勧めて欲しい。

まあ第1話としてプロローグ的な役割をさせるには多少仕方ないだろうけど、そして目的が視聴率を稼ぐことだから一部の歴史オタクではなく国民の多くに認められるドラマつくりとしてはこうなるのもやむを得ないか。

ちなみに原作者=司馬遼太郎はこの作品の映像化を拒否していたそうだ。作品後半のもはや小説という範疇に納まらないあの重々しさを考えるとわからんでもない。どう納めるのかねNHK?

ついでに5年前に書いた記事:原作読むのが面倒な人はちょっとしたダイジェストになってると思うのでどうぞ。
司馬遼太郎著『坂の上の雲』1