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NHK『坂の上の雲』

2009-12-01 | テレビ・映画・芸能
とても感動した小説だったからこれを見過ごすわけには行くまい。スペシャル大河として3年にわたって放映するそうだ。とりあえず第1回を見ての感想。

まず良いところ。
◆NHKらしく大物俳優をこれでもかってくらい使っており、個人的には特に秋山好古の阿部寛がいい、イメージにぴったり。
◆時々入る当時の白黒映像、効果抜群だ。うまく言えないけど日本をいとおしく思える。
◆実際に明治時代の街並みを知らないけれど、おそらくこうなのだろうという説得力がある映像。舞台セットがちゃちくない。金をかけてるのがわかる。

悪いところ。
◆原作に忠実とは言いがたい。高橋是清(西田敏行)が真之の教師役で出るけど、いくらフィクションとはいえおいしく作りすぎだろ(あれ?原作も出るのだっけ?)
◆大河らしいといえばらしいのだが、無駄なカット多すぎ。秋山真之(もっくん)の顔ドアップが全体の半分くらいある。
◆韓国ドラマかと思うような大げさな出会いor別れシーン、逆にしらける。「歯を見せるな!」って育てられた明治の日本男子がいちいち奇声を上げたり涙を流したり抱き合ったりしないだろ。米ドラマのように淡々と勧めて欲しい。

まあ第1話としてプロローグ的な役割をさせるには多少仕方ないだろうけど、そして目的が視聴率を稼ぐことだから一部の歴史オタクではなく国民の多くに認められるドラマつくりとしてはこうなるのもやむを得ないか。

ちなみに原作者=司馬遼太郎はこの作品の映像化を拒否していたそうだ。作品後半のもはや小説という範疇に納まらないあの重々しさを考えるとわからんでもない。どう納めるのかねNHK?

ついでに5年前に書いた記事:原作読むのが面倒な人はちょっとしたダイジェストになってると思うのでどうぞ。
司馬遼太郎著『坂の上の雲』1