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『精霊の守り人』上橋菜穂子

2015-07-12 | 読書

内容説明
30歳の女用心棒バルサを主人公に、人の世界と精霊の世界を描いたファンタジー。野間児童文芸賞新人賞・産経児童出版文化賞・ニッポン放送賞・路傍の石文学賞を受賞した作品で、『闇の守り人』『夢の守り人』『神の守り人(来訪編)』『神の守り人(帰還編)』と続く「守り人」シリーズの第1弾。



これは凄い!ハリーポッターのような本格的な児童書ファンタジーが日本にもあるのだなあと感心した。

児童書といっても侮る無かれ、大人が読んでもまったく遜色ないというか、むしろ思いっきり惹きこまれちゃうから。躍動感半端ないから。

なんとなく「もののけ姫」を想起したけれど、もっと筋立てがわかりやすくてキャラも魅力的。
典型的で伝統的な冒険活劇としてその世界観が事前にしっかりと設計構築されているから、安心感を持って腰を据えてまったりと楽しめる、読書は基本こうありたいね。

現実世界とは完全に別の世界観であるものの、我々の古代でもこうやって神話が出来上がっていったのかなと思わせるような巧妙な筋立てで、オッサンにもわずかに残る子供心をくすぐられる。

こういう本こそ子どもたちに読んでほしいんだなあ。
そしてこういう本こそ案外遠い未来まで読み継がれ伝わってたりするのかもしれない。

しかし「30歳の女用心棒」って、珍しい設定だよね、大概若くて美人が主人公なのに。けどそれがバルサの強さにリアリティをもたらし物語の説得力を底支えしてるような。

べらぼうに強く賢く、人に温かい。こういう女性に弱いんだよなぁ。
コミックやアニメ版も見たらバルサが巨乳でw困るw