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『インシテミル』米澤穂信

2015-02-11 | 読書

内容(「BOOK」データベースより)
「ある人文科学的実験の被験者」になるだけで時給十一万二千円がもらえるという破格の仕事に応募した十二人の男女。とある施設に閉じ込められた彼らは、実験の内容を知り驚愕する。それはより多くの報酬を巡って参加者同士が殺し合う犯人当てゲームだった―。いま注目の俊英が放つ新感覚ミステリー登場。



久しぶりに本格推理ものっぽい小説。
クローズドサークルで展開される駆け引きの妙、キャラがちぐはぐな感じなのはこういうジャンルの場合仕方ないかな。

古典推理小説を様々な形でオマージュしているのも「推理マニア」にはたまんないのだろうね。ぼくはそこまでマニアじゃないけど、それでも惹きつけられた。うん、初めて読んだけどこの人面白いかも。

トリックと言うほど驚愕のネタではないのだけど、状況やモノへのこだわりが推理モノ特有の感覚で描かれてて、そういうのが好きな人に受けの良い小説なのだと思う。

なんとなくマンガ『ライアーゲーム』を思い出した。話の長さも違うから比較するのも難しいけど『ライアーゲーム』のほうが数学トリック的アプローチでそれが緻密に組み立てられてて面白いか。
まあ殺人ゲームではないので土台から違うのだけど。

推理モノの世界では「人の死」がとても軽いw周りの人間が死んだ時狼狽えるよりも犯人は誰か?動機はなにか?凶器は?という普通ではありえない思考を第一に想起するって、ねえw

でも日頃重いモノばかり読んでいるので、あるいは現実世界も自然災害や国際紛争など暗く深い出来事ばかりなので、読書くらい軽~くなっててもいいのかもしれないっす。