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ぬえの能楽通信blog

能楽師ぬえが能の情報を発信するブログです。開設16周年を迎えさせて頂きました!今後ともよろしくお願い申し上げます~

殺生石/白頭 ~怪物は老体でもやっぱり元気(その19)

2009-05-12 00:20:44 | 能楽
さて『殺生石』の後シテが仕方話で自分の命が失われるところを語る場面。ここからがこの能のキリ。。すなわち終曲へ向けてのクライマックスの場面で、まあ飛んだり跳ねたり、シテは舞台上で大騒ぎで暴れ回るところです。また小書「白頭」の面目もこの場面の鮮やかさに尽き、常の『殺生石』とは大きく型が替わります。ご参考までに、常の演出と小書「白頭」の型の違いを併記しておきましょう。

青字=常の型
赤字=白頭の型

地謡「やがて五体を苦しめて。 床几に掛かったまま据エ拍子
                    同じ


やがて五体を苦しめて。幣帛をおつ取り飛ぶ空の。
                    踏返シ七ツ拍子、扇を右手に持ち一畳台より飛び降り

                    扇を右手に持ち正面の上をサシ


雪居を翔り海山を越えてこの野に隠れ住む。 
                   角より常座に到り小廻、正面へヒラキ

                   右まで見廻し、床几より立ち上がり左袖を頭の上へ返して下居


シテ「その後勅使立つて。 謡い
                  正面へ向き立ち上がり謡い


地謡「その後勅使立つて。三浦の介。上総の介両人に。 
                   六ツ拍子、踏返シ七ツ拍子

                   六ツ拍子(踏返シはナシ)


綸旨をなされつゝ。那須野の化生の者を。退治せよとの勅を受けて。 
                   角へ行き正へ直し左へ廻り

                   同じ


野干は犬に似たれば犬にて稽古。 正へサシ込ヒラキ
                       同じ


あるべしとて百日犬をぞ射たりける 角より常座に到り小廻、
                       同じ


これ犬追物の始めとかや。 正面へヒラキ、左足拍子一ツ
                   正面へヒラキ、ホドに左足拍子踏み左袖を返しワキへ面切り見


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