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ぬえの能楽通信blog

能楽師ぬえが能の情報を発信するブログです。開設16周年を迎えさせて頂きました!今後ともよろしくお願い申し上げます~

伊豆・天城で結婚式に出演します(続)

2007-11-18 07:35:20 | 能楽
ところで今回の ぬえの結婚式への出演で、特筆しておきたいのは ぬえに出演の依頼をしてくださったコーディネーターさん。ぬえよりちょっとお若い女性の方でしたが、メールで何度もやりとりを繰り返しているうちに、だんだんと「活きの良さ」が ぬえにも伝わってきました。

この方との交渉で話はとんとん拍子に進んで、新郎新婦も ぬえの提案に喜んでくださって。ついには結婚式だけではなくご披露宴でも祝福の舞を披露させて頂くことになりました。さっき『羽衣』を舞ったばかりだから、ここはやっぱり『高砂』だなあ。MDに録音した神舞の音を流して、それに合わせて舞うことにしたのですが、『高砂』の後シテの若い神の激しい舞は。。場所が旅館なだけに、ちょっと気を付けないと。。足拍子で床を踏み抜いたりしたら、ぬえは一生出入り禁止になってしまいます~~(・_・、) 当日は早めに会場入りして舞台の様子をさぐっておかないと。

さて、先日の事になりますが、このコーディネーターさんからのメールで、「突然ですが、明日東京に行きますので打ち合わせが出来たら。。」というお申し出がありました。その日が、たまたま ぬえの師家・梅若研能会の月例の能楽公演の日でして、しかもこの日 ぬえは能の地謡のほかに仕舞『融』を勤める事になっていました。これはコーディネーターさんにとっても またとない機会でしょう。ぬえは早速コーディネーターさんを研能会にご招待し、終演後にお会いして打合せをする事にしました。

会ってみればこの方、ほとんど家族経営のような小さな会社で結婚のプランニングをしておられるのですが、ギスギスした、プロフェッショナル風でシビアな物言いをする方とはまた違った、とっても気さくなコーディネーターさんでした。ぬえのような、芸術家。。という言葉で表現されるのは好きではないけれど、舞台人としての能楽師にとって、「ビジネス」という歯車に巻き込ませようとするでもない こういう姿勢が如何にありがたいことか。

ぬえは公演の終了後で疲れもあったでしょうが、こういう元気な方とお会いすると、そんな疲れもどこかへ霧散してしまいますね。初対面であったのに意気投合、ぬえも日本文化について力説して(またか)。。結局駅前でお別れしたときには最終電車にはもう間に合わない状態に(またか)。。(T.T) でも ぬえはこういう「活きの良い」行動力には敬意を表しますよん。

ところが!新たな展開もあったのです。 ぬえが伊豆でこの結婚式に出演する事を聞きつけた「狩野川薪能」に出演した子どもたちから ぬえに連絡がありまして。「え~~、先生、また伊豆に来るの~?」となって、結局 ぬえは結婚式のあと何人かの子どもたちと大仁で会うことになったのです。考えてみれば薪能の終演を最後に みんなと正式に会って慰労しあう事もなかったですね。翌日には東京で、舞台ではないけれどもスケジュールの予定があった ぬえは、結婚式のあとは東京に帰るつもりだったのですが、結局 彼らと、またその親御さんたちも含めて旧交を温めることになり、その日は三島に宿をとりました。。

この、子どもたちとの再会では、旧交を温めるだけではなくて、来年の薪能に向けて団結するよい機会となるでしょう。このような機会を得られたのも、結婚式に謡を導入する決断をした新郎新婦さんのおかげですし、またこのお話を ぬえに持ちかけて頂いたコーディネーターさんのお陰です。この場を使って、あらためまして御礼申し上げます。そして、新郎新婦のお二人はお幸せに~~(^.^)

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