岩手県の一関市の小学校での公演を前に、中尊寺を訪れてみました。一関市と中尊寺がある平泉とは隣町の関係にあります。公演は小学校の昼休みを過ぎて午後の授業に当たる時間に催されるので、この公演の間中、ホテルからの出発は午前11時とかなり遅め。そこで、まだ行った事のない中尊寺へ朝に出かけてみることにしたのです。
ん~行き方がよくわからない。。時間の制約もあるので、行きは一関駅前からタクシーを利用して中尊寺に直接向かうことにしました。運転手さんに聞けば、眼目の金色堂のすぐ下まで道が通っているそうで、そこまで連れて行って頂いたら、なるほどそこからすぐ上に金色堂がありました。戦乱や火災の危機をくぐり抜けて現代にまで残された奥州藤原の唯一の、そして最も贅を尽くした遺構である金色堂は、金箔の華麗さだけではなくて、螺鈿や蒔絵の細工が見事なまでに精緻。また ぬえは、能舞台とほぼ同じ大きさの、その大きすぎない規模が、金色堂が品良く見える理由なのではないかな、と思いました。金色堂内部は撮影禁止なので、写真で見慣れたこのアングルの画像でお許しあれ。。

すぐそばには旧・覆堂という、昭和の大修理まで金色堂を風雨から守ってきた、言うなれば能舞台を収める能楽堂のような建物が保存されています。現在のコンクリート造りの覆堂はちょっと味気ないけれど、この旧・覆堂はむしろ金色堂をよくぞ守り切れたものだと思うほど簡単な造りです。それでも松尾芭蕉らもこの旧・覆堂の中の金色堂を見たのかと思うと、がんばってくれたのね~、と感謝を送りたい。

境内は、東北はもう秋の気配。そこここに紅葉が色づき始めています。

このあと岩手県の最南部の一関市の小学校で公演を終えたあと、今度は秋田県の最北部の大館市へ長距離移動したのですが、次第に紅葉の色が濃くなっていくのに気づいて、不思議な感覚でした。東北高速道から間近に眺める雄大な岩手山、そして反対側の車窓には満月が上り。。きれいだなあ。。東北。
話は戻って、中尊寺では金色堂の荘厳などを収めた博物館である讃衡蔵を拝観し、本堂のご本尊に参拝し、東物見という展望所で西行の歌碑を発見し。そして忘れちゃいけない境内の白山神社にある茅葺きの能舞台も拝見して帰りました。帰途は、なんと頻繁に通っていた路線バスを利用して30分で一関に戻りました。

さて一関では市立の長坂小学校で公演が行われましたが、や~、みんな元気だね~。演者が声を掛けるとみんな大きな声で挨拶もできて、とってもお行儀もよかったです。上演曲『安達原』では、やはり後シテの姿を見て怖がる子もいたけれど、多くの子はとっても興味を持って見てくれていました。終演後の質疑応答では「どうやって声を出す訓練をするのか」「どれぐらい練習をすると楽器が上手に鳴らせるようになるのか」と、身体論にまで興味が及ぶ高度さ。終演後には先生の合図で、楽屋に引っ込んだ演者に向かって大声で「ありがとうございました~~」の大合唱。(#^.^#) 楽しい催しだったと思います。
今日は秋田県の大館市に到着しましたが、残念ながらホテルにネット環境がなく。。
明日、北秋田市の鷹巣小学校で公演を行って、青森県の弘前市に移動してからこの書き込みをすると思います~。その頃にはすでに次の公演地、北秋田市での催しは終わっているんですけれども、そのご報告はまた次回に。。