留守電に元同僚からのメッセージ。
今は昔。輝かしい活躍をしていた彼女も、姥捨て山といわれた
職場に移動になった。
男性なら、もっと上の役職につける人なのに、クソッ、
年寄り女を馬鹿にしてーと密かに怒った。
明日はわが身、覚悟も決めた。
その日から、懸命に磨いた技を後輩に教えるのをやめた。
さて、彼女。姥捨て山は手付かずの職場。
今まで培った知識で見渡せば、改善の山が積みあがっている
ことに気づき、ついには、輝く職場になった。
姥捨て山で働く姥も、隠していた能力を、いや
出したくても出せなかった能力を、開花させられるような
職場に変えたからだ。それから、そこは
一番成績のいい職場になった。婆ばっかりで。
姥捨て山が、彼女を最高に輝かせ、他の婆も輝けた。
カラオケの友のお嫁さんのことを話したら、彼女は
なんと答えるのだろう。
風邪よ、早く飛んで行ってよ。