青面金剛明王と放射能汚染

2011年04月30日 | 防災と琵琶湖



【概要】




放射能(Radioactivity)とは、物理学的な定義では、
放射線(radioactive ray, radiation)を出す活性力
(放射性,放射活性、放射線を放射する程度)を言う。
放射能と放射線とが混同され誤った意味で使われてい
るが、その定義は明確に異なる。日本の媒体等におい
ては「放射能を浴びる(又は、飛散する)」などと誤
用が見受けられ、誤用そのままが一般に定着して常用
されている。放射能の強さは、1秒間に崩壊する原子
核の数で表され、ベクレル(記号Bq)という単位で表
す。原子核が崩壊する時に放射線を放射する。 かつ
ては、1グラムのラジウムが持つ放射能を単位とし、
これを1キュリー(記号Ci)としていた。1グラムのラ
ジウムは毎秒 3.7×1010個のα線を放射しているので、
1キュリーは 3.7×1010ベクレルということになる。



環境中には自然放射能、原子力施設から放出された放
射能、フォールアウトなどに起因する放射能が存在す
るが、それらの移行経路の一つとして、水圏中の移行、
即ち、川・湖沼・海洋中における移行がある。この移
行経路は、大気中の移行と異なり、時間経過が長いの
で、その放射能レベルは一般には低いが、飲料水とし
て直接、あるいは動植物の食物連鎖を経由して間接的
に放射能を取込む経路となり得る。川、湖沼、海中に
おける放射能の移行では、拡散と希釈が作用する。ま
た、堆積物への
放射性核種の移行も考慮する必要があ
る。さらに、食物連鎖に関連して、生物による放射能
の濃縮効果が重要である。



放射能の河川中の移行

表層水中の放射能は、地表あるいは土壌中で、土壌に
よる吸着と脱着を繰り返しつつ移流し、河川・泉・湖
沼中に移行し、終りには海洋中に移流する。河川は、
流入速度と流出速度の高い湖と考えることができる。
河川水における放射性核種の平均滞留時間は、著しく
短いので、両者に同じ量の放射性核種の流入があった
場合、河川の方が湖よりも通常濃度が低くなる。河川
によって運搬される水の量は、年間を通じて相当変化
するものと思われる。春に雪が溶けるときの川は、そ
の年の渇水期の数倍の面積を覆うことができる。河川
に沿った氾濫原は、河川水によって運搬された放射性
核種を保持するかもしれないし、この汚染は後年その
河川に再び放出されるかもしれない。したがって、河
川機構における放射性核種の挙動のモデル化は、湖よ
りも複雑である。最後には海へ運搬されるものと思わ
れる。この間に、飲料水として人間に摂取されるもの、
淡水産の魚介類を人間が摂取することによる放射能の
取り込み、潅漑用水を通じ、さらに穀物・野菜・肉・
牛乳などに放射能が移行し、これが人間により摂取さ
れるものなどの経路がある。潅漑用水から人間の食物
への移行には、生物による放射能の濃縮が重要な役割
を果たしている。このような経路を通じて人間に摂取
される放射能の被ばく評価が必要である。



放射性核種の生物濃縮

生物が、生育環境に含まれるさまざまな物質を環境濃
度より高い濃度で蓄積する現象を生物濃縮と呼び、そ
の大きさは平衡時における生物と水の濃度比である濃
縮係数で表す。濃縮係数はフィールド試料の放射化学
分析など主として三つの方法によって求められるが、
実験生物や実験条件のさまざまな違いにより濃縮係数
の変動幅は10~100倍とかなり大きい場合がある。生物
の食性や生息水の塩分、共存物質量などの変動要因を
解明することにより、濃縮係数の変動幅を縮小し、信
頼性を向上させることができる。

【エピソード】 



‘放射能汚染’といってもなにひとつ知らないという
ことに愕然とする。福島から転校してきたというだけ
で、逃げ出した子供達、日本人と聞くだけで、黙って
席を立ち去った欧州人を笑うことはできない。関東大
震災で流言飛語で殺戮の犠牲になった朝鮮人・中国人
と同様の立場にたたされるかもしれないのだし、また
その逆の加害者の立場に立つ可能性あるのだというこ
とを考えなければと思い立つ(象徴としての‘
青面金
剛明王’)。

【放射能被害の時系列変化】

■ 10年後の人体への影響

(1)小児甲状腺ガンの急増:4年後から顕著な増大
  のど切開手術
(2)死産増加:10代で被ばくした母、通常2cmの胎
  盤が5cmに
(3)染色体変異:曝量に比例して染色体(生殖器
  なら遺伝情報)が破損する割合が増加していた
(4)原発作業員の平均寿命44歳:ガン・心臓病・白
  血病・記憶障害・神経細胞破壊・躁鬱自殺など
(5)「安全」とされていた低濃度汚染地域で大量の
  体内被曝が進行していた:生態濃縮で高濃度と
  なった放射能が自給自足型の農村の住民の体内
  に蓄積していた

■ 20年後の人体への影響

(1)成人甲状腺ガンの急増:小児甲状腺ガンは事故
  10年後がピークだったが成人のガンはその後に急
  増
(2)先天性障害児(奇形児)の増加:ベラルーシで
  は事故前は1万人中50人だったが2000年に110人と
  2倍以上に増加
(3)引き続き原発作業員の死亡相次ぐ
(4)「安全」とされていた低濃度汚染地域(原発か
  ら100-400km)でガンや白血病の発症が増加

 脚注及びリンク】
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(1)「青面金剛明王

(2)「国際放射線防護委員会
(3)「 European Committee on Radiation Risk(ECRR)」
(4)「
人体中の放射能(原子力百科事典 ATOMICA)」
(5)「
食品中の放射能(原子力百科事典 ATOMICA)
(6)「
放射線のDNAへの影響(原子力百科事典 ATOMICA)
(7)「
放射線の細胞への影響(原子力百科事典 ATOMICA)」
(8)「放射線の細胞系への影響(原子力百科事典 ATOMICA)」
(9)「
放射線効果と修復作用(原子力百科事典 ATOMICA)
(10)「
放射線の種類と生物学的効果(原子力百科事典
   ATOMICA
)」
(11)「「終わりなき人体汚染 チェルノブイリ原発事故
  から10年」NHKスペシャル・1996年
http://www.youtube.com/watch?v=rCX1A3yJLqI&feature=related
http://www.youtube.com/watch?v=gFOxGGdzfn8&feature=related
http://www.youtube.com/watch?v=oHg23DkfZDA&feature=related
http://www.youtube.com/watch?v=oHg23DkfZDA&feature=related

(12)「汚された大地で チェルノブイリ20年後の真実」
  NHKスペシャル・2006年
http://www.youtube.com/watch?v=PHeq8TfSRBM&feature=related
http://www.youtube.com/watch?v=8hXmoNuJHKs&feature=related
http://www.youtube.com/watch?v=Fgx1mcUgHnA&feature=related
http://www.youtube.com/watch?v=BiFTMaApEpw&feature=related
http://www.youtube.com/watch?v=ZK7T6BDiB1c&feature=related
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