原発事故汚染の可視化

2013年11月20日 | 防災と琵琶湖

 

 

 

滋賀県は、福井県で原発事故が起きた際の琵琶湖への放
射性物質の影響を初めて詳細に予測し、18日発表。気象
条件が最悪の場合、湖面の2割が飲料水基準を超える濃
度で約10
日間汚染されることが分かった。水道原水の基
準はないが、琵琶湖は滋賀、京都、大阪、兵庫の4府県
約1,450万人の水源で、水道水に影響を与える恐れがある。
放射性物質は浄水場で一定除去できるが、県は今後、実
際の除去率の調査や対策を検討していくとのこと。
県地
域防災計画の見直しで県琵琶湖環境科学研究センタが
予測した。大飯原発か美浜原発で福島第1原発と同規模
の事故が起きたと想定
。2010~12年度の風向きと雨で四
季ごとに琵琶湖に最も影響が大きい日を選び、放射性物
質のセシウム137とヨウ素131が、そのまま落ちたり、雨
などと降下する量(沈着量)を計算。

最悪のケースは北西の風で雨が降った2012年12月10日の
気象条件で大飯原発が事故を起こした場合。高島市南部
や琵琶湖の一部などで事故1日後のセシウム累積沈着量
は1平方メートル当たり3千~5千キロベクレルと推定。
湖岸の各浄水場の取水口が多い表層(水深0~5メート
ル)で最も濃度が高くなるのは
事故6時間後。セシウム
濃度が国の緊急時の飲料水摂取制限基準(1リットル当
たり200ベクレル)を
超える面積が湖面の18%に達する。
ヨウ素も同基準(1リットル当たり300ベクレル、乳児百
ベクレル)を超える面積が20%になった。セシウムは10
日後、ヨウ素は8日後に多くが沈み、面積は1%以下に
なる。飲料水基準は水道原水ではなく、浄水後の数値と
なっている。セシウムやヨウ素は浄水場で一定除去でき
るが
、福島第1原発事故では、国が全国の水道事業者に降
雨後の取水を一時停止したり抑制するよう通知。福島県
東京都で基準を超えるヨウ素が検出され、乳児の摂取制
限が一時行われた。県内には琵琶湖を水源とする浄水場
21カ所と琵琶湖疏水があり、県内14市町計約百万人
と京都市145万人に水道水を供給している。

これを受け、嘉田由紀子知事は報告を受けて、「飲料水
基準を超える面積が二割を超える結果を重く受け止
めて
いる。県として水道水の浄化がどこまで技術的にできる
か、市町への防災・水道・避難体制などの対応の
指示、
琵琶湖の水を飲料水として使う下流府県との情報共有化
の三点を考えないといけない」と語った。


 

 

 

 

 

  

 
【結果と課題】

・大気モデルによる高沈着量日の結果を陸域・湖内に適用
たところ、琵琶湖表層のうちOIL6の飲料水基準を超過す
面積比率が事故直後には最大20%程度(北湖:Cs・I、
湖:I)となり、またこうした水域が長い場合で10日間
前後残
る可能性が示された。

・中長期の予測や浄水場の取水口、生物等への影響も踏ま
えつつ、事故時の放射性物質を、いつ頃(事故直後~長期
)、どこで(集水域、河川、琵琶湖)、何を(水質、底質、
生物等)、どの程度の頻度でモニタリングすればよいのか
を検討する。
 

【エピソード】

 

このような被害予測を可視化しておくことは、パニック防
ひいては、防災・減災へ繋がる、あるいは、人命は地球
り重しへの再認識・喚起に繋がる意義は大きい。
 

【脚注およびリンク】
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  1. 2013.11.18、琵琶湖南部の水、1週間飲用適さず 
    滋賀県原発事故予測、朝日新聞
  2. 2013.11.18、原発事故なら琵琶湖はどうなる? 
    県が新たな環境リスク予測手法、産経ニュース
  3. 2013.11.18、放射性物質の琵琶湖への影響予測
    (中間報告)、滋賀県
  4. 放射性物質の琵琶湖への影響予測(中間報告)の
    概要について、同上
  5. 2013.11.18、琵琶湖流域における放射性物質拡
    散影響予測(中間報告)(配布資料)、同上
  6. 2013.11.18、平成25年度 第2回滋賀県地域防災
    計画(原子力災害対策編)の見直し検討会議(配布
    資料掲載)、同上
  7. 2013.11.18、琵琶湖面の2割汚染 滋賀県、福井
    で原発事故想定、京都新聞

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