ハンカ湖(英語: Khanka Lake, ロシア語: о́зеро Ха́нка、
中国語:興凱湖・Xingkai)は、中国東北部の黒竜江省と
ロシア連邦の沿海地方との間の国境地帯にある広大な水
面。中国側は黒龍江省鶏西市に属し、市街からは120km
離れている。湖の面積は4,190 km²で、湖の北寄りに直
線状の国境線が引かれ、南側3,030 km²はロシアに属し、
北側 1,160 km²は中国に属している。湖周辺は、貴重な
生態系が残る世界的にも重要な湿地帯で、中国側には興
凱湖国家級自然保護区が、ロシア側にはハンカ湖自然保
護区があり、1996年に両国の首脳が湖の自然保護につい
て共同保護協定を締結する。
また、両国の自然保護区はともにラムサール条約登録地
になっている。日本や太平洋一帯にも飛来する渡り鳥が
多く住み、タンチョウとマナヅルの重要な繁殖地である。
ほかにも多くの絶滅危惧種の野鳥・両生類・爬虫類・昆
虫などが生息するほか、第三紀の植物群やチョウザメな
ど多くの淡水魚類、アムールトラなどもわずかながら生
息している。かつてはトキもいたが、中露両国の農地開
発などにより、第二次世界大戦後しばらく生息したとい
う。
この湖は科学調査(渡り鳥などの調査)のほかに、自然
保護、エコツーリズムなどでも注目すべき場所である。
中国側湖岸地帯の保護区の大半は国有農場地区に属
しており、集団農場による農業、漁業、畜産などで天然
資源が酷使されている。両国、特に中国側の密漁、排水
による汚染なども問題となっている。
ハンカ湖は、湖の北、中国領にある高さ10mの砂丘で分け
られた大小2つの湖に対して与えられている総称である。
湖岸は北西側以外は湿地帯である。ハンカ湖に流れ込ん
でいる水系の範囲(分水界)は約16,890 km²の沖積平野
でその97%はロシア側の領土である。4,000~4,400 km²
の水面は、中国東北部最大の湖水面である。湖には23の
川(8つは中国から、15はロシアから)が流れ込んでおり、
南のロシア側ではこれら河川がハンカ湖に入る前に大湿
地帯(イリスタヤ川湿地帯)をなすが、出て行く川は中
露国境をなす松阿察河(ソンガチャ河)だけである。湖
の平均の深さは4.5mで、最大でも10.6mである。湖水の水
量は平均18.3 km³だが、最大で22.6 km³になる。湖は松
阿察河(ソンガチャ河)を通して、ウスリー川水系、ア
ムール川水系に属し、北のオホーツク海に流れている。
年間の最高気温は 21.2℃で最低気温は -19.2℃である。
雨は主に夏に降り、年間降水量は750mmほどである。湖
水の滞留期間は1年ほどである。
周辺からは新石器時代からツングース系民族の遺跡まで
多数の遺跡が出土している。大祚栄が建てた渤海国はハ
ンカ湖(当時は湄沱湖と呼ばれた)の周囲全体を領土と
していた。以後、女真や満州族の住むところとなり、
1860年の北京追加条約までは全体が清国吉林将軍管轄区
であった。そして清露間で条約に基づき1861年興凱湖界
約が締結されて湖の大半がロシアに割譲され、現在に至
る。湖岸の東側をシベリア鉄道が走っており、スパッス
ク=ダリニーやチェルニゴフカなどの中規模の町がある。
南方にあるウスリースクからの距離は200km、ウラジオス
トクからは300kmほど。
出展;Wikipedia
【脚注及びリンク】
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1.Report of Anatidae activities for MWCC7, June 2002
2.ソンガチャ川
3. Recent changes of sediment flux to the western Pacific
Ocean from major rivers in East and Southeast Asia
4. 地球資源論研究室 中国の環境-水環境-
5. Khankaisky自然保護区
6. World Lakes Website, Lake Xingkai/Khanka
7.ハンカ湖盆地の淡水の動植物
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