近江の歴史と漬物Ⅳ

2019年03月14日 | 滋賀グルメ紀

   
作成日: 2019.03..14|更新日:

  

くらしを彩る近江の漬け物 
❑ 背景と土壌を探る
2 生業と漬物
☈ 農家のくらしと漬物
昭和三十年頃まで、農家の食事は麦ご飯に漬物と味噌汁
が定番であった。ふだんはきわめて質素な食事であっか
日本食は仏飯や客呼びの時くらいで、日常食は麦を二割
くらい混ぜた麦ご飯であった 農家では、ほとんどコメ
で栄養をまかなっていたようなものなので、漬物はご飯
を食べるための必需品であり、一番のおかずであった‘
漬物は常にご飯とともにあり、コメ文化を支える柱てあ
つた。「ご飯と味噌汁と漬物」の組み合せは、栄養もそ
こそこ取れて、何回食べても飽きのこない素朴な味であ
り、農家のきつい労働を支えてくれた 農家では、朝に
一日分のご飯を炊いた 前日に麦をよばしておき、コメ
とともに炊き上げる。子供の数も多かったので、ひと家
族ニ、三升ものご飯を炊いた 特に農繁閲は日の出前か
ら、日没後まで働きづめなので、一日五、六回も食事を
した。田へ行く時は、ご飯を弁当箱にぎゅうぎゅうに詰
めこんで、梅干しをのせる。タクアン、葉っぱの漬物
つけ味噌、佃煮が主なおかずであった 今ならとても食
べられないほどの塩辛すぎる漬物も、大量に汗をかいた
後なのて身体が要求した 漬物で麦飯をかきこみ、重労
働に見合う熟量を補給した。若い男性ならなら一日一升
ぐらいの飯を食べるのは普通であった ご飯を大量に食
べるために漬物は欠かせなかった。



農家では、きつい労働をするために大量にご飯を食べた 
そのために大量に漬物をつけなければならず、農家の主
婦は年がら年中漬物と向かい合ってくらしてさた 田圃
の仕事をする合間に漬物作りの段取りをする 材料の野
菜作りにも精を出す 季節ごとに野菜が育ち、それを次
々に漬物にしていく「家族の人数を順に入れて、漬ける
補の数を決める 農家ではタクアンを四斗桶に二、三本
漬けるのは普通で、大小をあわサると十本から二〇本の
桶が並ぶ、漬物桶はできるだけ風が通り、温度管理のし
やすい所の方がよいので、家の裏側の軒下か、母屋と小
屋の間の通路などに置かれた。漬物専用の小屋を設けて
いる家もある 昔は漬物をつけたので、けっこう場所を
とぃた,川戸で野哀の泥を洗い落としてから、水洗いし
て、少し乾燥させてから桶に漬けていく。土足で動きや
すくて作業のしやすい場所がよい。



鴎外もほぞをかむ麦飯パワー

湖北の農村部では葬式が起こった時にタクアンの贅沢煮
や塩押しナスの煮物が必ず出される地域がある。葬式は
何時起こるかわからないので、漬物を切らす訳にはいか
ない。どの家でも大量にタクアンと塩切りナスを漬けて
おいた。ナスは夏場次から次に収穫できるので、若くて
きれいなナスを丸のまま塩漬けにしておく。秋じまいに
一度桶から塩ナスをあげて、小糠と塩をまぶし漬け直す。
ウリ、キュウリ、ナスは 収穫して、どぱ漬けにする 
ナスヒ同じくウリやキュウリもどぽ漬け以外に
塩押しに
しておく、これらは酒粕につ・け直して奈良漬けにする
とが多い、塩押しする時は我石が収い万がよく、途中
で軽くして
しまうと酸っぱくなってしまう、また雁行が
均等にかかるように
石の傾きを時々直してやる必要があ
る。
農家ではウメの木がミ一、二本植わっている。梅雨
の頃、ウメが
たわわに実をつけると、収して塩漬けにす
る。シソの葉が育っ
たらウメ酢に漬け、土用の頃に三日
一晩しあげる。秋口にダイコン、カブの芽が出てきたら、
適度に間引いて菜っぱの浅漬けにする。秋の農繁間には
この間引いた青菜を塩漬けにしたものが、とても新鮮で
おいしい ダイコン、カブは、十一月中旬頃収穫できる 
寒風が吹き出す順にプレ目ほど、はさ架けしてダイコン
の水分を落す、四斗桶を用意してご隼分のタクアンを塩
と糠で仕込むナスの葉や干しガキの皮を入れると風味が
よくなる。.大家族だと桶は二、三本必要だ。三月まで
の寒いうちに食べるのは、塩を控え目にするが、夏を越
すタクアンは、塩を多くふり入れる。

 



 漬物をはさんだユリコ団子(湖東地方

滋賀県は耕作面積のほとんどが水田てあり、米栽培を中
心にした農業が続けられてきた。
しかし、米を作ってい
るといっても、いい米は売っ
てしまうので、家で食べる
のは二番米であった 米
は年に1回しか収穫できず、不
作の年だとし、八月の端境期に米が食べられないことが
よく起こるので、始末して食べた 米の少ない時は、ユ
リコ団子や混ぜご飯を多く食べ、米を節約して食べのば
した。糧飯としては、リョウブ飯、ダイコン飯、豆飯な
どが食べられている。が、この場合も漬物は欠かせない
おかずであった。

農閑期の冬場はモチにウル米を混ぜて作るコワ餅が主食
や間食となる さらに質の悪い末熟れや胴割れ米などの
くずれ米はユリコ、イリコ、ユルゴ、コゴメ、コマカな
ビと呼ばれている これも大事な食料であハで、粉に挽
いてから団子にして代べた ユリコ団子は滋賀の全域デ
食べられている。ヨモギを入れたユリリ団子はばほ全域
で認められる。湖北では煮煮団やカブと一緒に団子汁に
したり、ミョウガなどの葉に包んで蒸し団子にすること
が多い。湖東のユリコ団子は、灰の中に入れて焼き団子
にするのが特徴である 中身も変わっていて、大根や日
野菜や葉っぱの漬物を刻んで入れたり、焼いわしやエビ
を入れる。日野菜漬けかよく使われている 素朴な味で
蒸して、焼いて食べても美味しい。ここに、スジエビ、
サワガニ、シジミ、モロコなどの魚介類、ラクト、ジビ
エ、クルミなどの具材に加え、麹や酒粕、酢、ハーブ(
香辛料)などを加えどに漬け込んだ「ゆりこ団子」とし
てバージョンアップすれば強力な滋賀の名産事業となろ
う。

   

【#野菜漬物#北海道#旭川市西神楽#かぼちゃ漬】

材料:大根/塩/かぱちや/サッカリンノ笹の葉

鮮やかな黄色が笑しい漬けものである。水分の多いかぼ
ちゃ、甘みやうまみの乏しいかぽちやなど煮炊きしても
まずいもの
用いて有効利用。 二斗桶一本分の聖護院
大根を縦半分に切って、一週間、塩漬けしておく。かぼ
ちゃ.三個はあらく切って、水をひたひたに加えて炊き
あげ、汁ごとつぶしておく。かぼちゃのないときは好み
で砂糖をを少し入れる。水気をしぼった大根を―斗樽に
一段並べ、つぶしたかぽちゃを平らに置いて、大根、か
ぼちゃと、交互に詰めていく。笹の葉をかぶせ、ふたを
して.重石をかけておくと、―週間すぎから食べられる。
なお、大根は縦半分に切って、四、五日干したものを、
直接かぼちやの床に漬ける方法もある。この場合は、か
ぼちゃ三個に対して、塩を荼わん三杯くらい混ぜて漬け
る。

 

 

 LEDを照明としてでなく、家庭用菜園と兼用させた
ランプが提案されている。もう自然農法が主流でなく、
多様な農産物育成時代である。無自覚ではあるが、環
境全面対応できる宇宙食農法時代なのかもしれない。
 

【脚注及びリンク】
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  1. 食べ物の「こく」を科学するその現状と展望  西
    村敏英、江草愛、化学と生物、2016.vol.51,No.2,
    PP.102-108 
  2. 物を科学する 世界に誇るマイクロバイオームフ
    ード, Anti-Aging Food Association 2016.08.23
  3. フローラ健康通信 - NHKでも放送された、今話題
    の腸内フローラ!毎日のスッキリと快適生活を維
    持する方法とは 2019.03.07 
     
  4. 近江つけもの 山上 公式ホームページ 
  5. 戸時代は100種以上、日本人と大根の根深き関係
    食の安全、
    JBpress
     
  6. 方領大根  Wikipedia 
  7. 聖護院大根領大根  Wikipedia 
  8. 多賀の食「おやき・ゆりこ団子」2018.06.17 
  9. 滋賀県の家庭料理 おやつの特徴 日本調理科学会
    2017.08.31 
  10. 滋賀県出身の人物一覧         

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