郷土料理 鴨鍋

2011年12月20日 | 滋賀グルメ紀





琵琶湖には冬が近くになるとシベリアからカモが飛来
する。湖北の冬を代表する味覚といえばカモ鍋で、古
来、魚用の仕掛け網にかかったカモを魚屋が商いとし
て扱っていたという。現在、湖面での猟は禁止されて
いて、内陸部や川沿いでは11月15日から2月15日まで
の間に限って猟が許される。11月から3月までの季節
限定の郷土料理だ。

といっても、用いる食肉は真鴨ではなく合鴨がほとん
ど。鴨肉からは良質のだしが出てコクがあるが、昆布
などでだしをとっても美味しい。古くは、豊臣秀吉が
大阪で鴨の飼育を奨励したという記録や、平安時代か
ら飼育されていたという説などがあるとされ、関西で
は「すき焼き」が夏のスタミナ料理とされていたろも
ある。大阪で根付いた合鴨産業は明治時代末期に始ま
り、現在は大阪府松原市のツムラ本店が「河内鴨」と
いうブランドで合鴨肉を取り扱っている。

合鴨肉の特徴は皮下に厚めの脂肪層がついていること
で、この脂肪が合鴨肉の美味しさ旨さと深く関係し、
常温液状の不飽和脂肪酸が多いため合鴨の脂肪は融点
が26.8度と低く、体温で容易に溶け、食べて口当たり
がよく、美味しくまろやかにするという。栄養的に優
れているオレイン酸はが含まれ、悪玉コレステロール
値を下げるなどの機能性を持った必須脂肪酸のαリノ
レン酸、リノール酸などの多価不飽和脂肪酸が他の食
肉類に較べて多い。

          


 
【エピソード】

 真っ赤な鴨の肉、
 鴨肉や具を食べ終わったら、だしとたれを追加し
 てください。そのほうがおいしく召し上がれます
 から、長年の感と女将の年輪が立ち居振る舞いに
 まで見えて、鴨の味を一層、引き立ている。
 前菜に出された「こつくり」(滋賀では鯉や鮒の肉
 を薄い刺身の状態にし、湯通しした新鮮な鯉や鮒
 の卵子にまぶしたものを言い酢で溶いた白味噌で
 食すのが通常の食べ方)鮒の薄い刺身に、黄色の鮮
 やかな鮒の卵がまぶされ生臭味のないこりっとし
 てさわやかな味がわさびにぴったりと合っている。
 久しぶりに、今は、無い、自宅に帰ったような錯
 覚に陥り、地酒(七本槍だったか、聴きそびれた)
 を少量いただき舌鼓を打った。「鳥新」は昔通り
 に長浜の町の一隅に静まっていた。何度も来た事
 のある店だけれども、いつも来たのは夜だったの
 で、陽の当たっている二階座敷の畳に簾が作る光
 と影の縞が新鮮だった。
 鴨が運ばれて来て煮える迄を鮒鯖で酒を呑んだ。
 鮒鮨は木之本のもの、香りも味も上々の上に、辛
 口で無い地酒「七本槍」によく合った。

            團伊玖磨『パイプの煙』

 


※郷土料理

打豆汁/おこうこのじゃこ煮/鮒寿司/焼鯖そうめん
/近江牛の味噌漬け/干瓢料理/鴨すき/エビ豆/蜆
料理/鮎御飯/小鮎料理/丁子麩の芥子あえ/いさざ
豆/鯖寿司/ばら寿司/ふな焼き/もろこの酢漬け/
佃煮/泥亀汁/贅沢煮/近江ちゃんぽん/赤こんにゃ
くなど

【新年会について】



恒例の新年会を準備しています。いまのところ29日(
日)、会場は、四番スクエアの『楽座』で調整してい
ます。問題があれば幹事までご連絡ください。

【脚注及びリンク】
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1.「湖北野鳥センター
2.「鴨とり爺さん
3.「パイプのけむり全仕事 團伊玖磨/鳥新
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