琵琶湖底の堆積物噴出活発化

2012年01月21日 | 防災と琵琶湖




「地震予兆」を指摘

高嶋市沖の琵琶湖の最深部で、湖底から堆積物が噴き上が
る現象が活発化しているという(朝日新聞 2012.1.20)。
それによると、近畿地方を震源とした地震の予兆の可能性
を指摘する専門家もいる。県琵琶湖環境科学研究センター
環境情報統括員の熊谷道夫(60)らによる自律型潜水ロボ
ット「淡探」を使った湖底の調査では、2009年から噴き上
がる場所の数や大きさが増し、付近のにごりも増している
という。湖底から1メートルと1.5メートルの場所での水
温の比較で、
08年ごろから湖底に近いほど高い現象が目立
つようになった
。「地中の熱が水中に伝わっているためで、
水温の差が大きい場所で地下水やガスの噴出が起きている
のではないか。25年にわたる湖底観察で初めての現象だ」
と話す。

元東京大学地震研究所准教授の佃為成は地殻変動の影響を
指摘する。この地域は、地殻変動による「ひずみ」が蓄積
した「新潟-神戸ひずみ集中帯」の一部で、同集中帯では
1995年の阪神大震災や04年の新潟県中越地震などが起きた。
02年以降、琵琶湖から神戸にかけてひずみの変動が大きく
なっているデータもあるうえ、高島市から大津市にかけて
の内陸部には琵琶湖西岸断層帯がある。「
大地震の準備過
程を意味する
可能性を念頭に置いて防災態勢を急ぐべきだ」
と話す。元京都大学総長で地震学が専門の尾池和夫・国際
高等研究所長は「現時点では、湖底の現象を地震の前兆に
結びつける判断はできないが、さまざまな異常現象を集め
ておくことは地震の前兆現象の研究にとっても大事なこと
だ」と話しているという。

 

【エピソード】

行政(=社会共同体)の最優先課題は安全保障であれば、最
低限の保障準備は必要となるが、それが「淡探」かというえ
ば疑問符がつく。データは出来る限りオープンにしてもらい
たいとそう思う(悪意のある情報操作は困るが)。


【脚注及びリンク
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1.「びわ湖トラスト

2.「オウミア No.69

3.「淡探と湖底環境


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