マラウイ湖 (Malawi)、タンザニアとモザンビークでは
ニアサ湖 (Nyasa、Nyassa、Niassa) はアフリカ東南部
にある湖。アフリカ東部を縦断する大地溝帯(グレート
・リフト・バレー)の南端部に位置する。面積はアフリ
カで3番目、世界で9番目の広さである。深さはアフリカ
で2番目に深い。
湖は長さ560km、幅は最大で75kmに達し、面積は鹿児島
県と沖縄県を除いた九州に匹敵する29,600 km2。モザン
ビーク、マラウイ、タンザニアの国境をなす。湖からは
シーレ川(Shire)が流れザンベジ川に注いでいる。湖
に注ぐ川のうち最大のものはルフフ川(Ruhuhu)である。
マラウイという名は、マラウイの公用語・チェワ語で
「光、炎」などを意味する言葉で、マラウイの独立後に
国名として採用された。タンザニアとモザンビークでは
ニアサ湖と呼ばれ、ニアサとはヤオ人の言葉で「湖」を
意味する。後述する湖の領有権とからんで湖の呼称をめ
ぐる論争もある。湖の表面積の0.3%にあたる南端部がマ
ラウイ湖国立公園に指定されており、この部分はユネス
コの世界遺産にも登録されている。
コマ島とチズムル島の二つがマラウイ湖の有人島である。
島はマラウイ領だが、モザンビーク側の湖岸からの方が
近い。リコマ島には20世紀初頭に宣教師が建てた英国国
教会の石造りの大聖堂がそびえている。どちらの島も、
バオバブの木の多さが特徴である。島には数千人の住民
がいるが、キャッサバ、バナナ、マンゴーの栽培や湖で
の漁で生計を立てている。
マラウイ湖は魚が豊富で、伝統的にマラウイの国民の食
料源となってきた。チャンボ(Chambo)はシクリッド(
カワスズメ)科の4種類の魚の総称である。またカパン
ゴ(Kampango)という大型のナマズも有名。特にシク
リッド科に属する魚が豊富で、多くの固有種を含む800
種以上のシクリッドが生息している。これは同じ大地溝
帯にあるタンガニーカ湖やヴィクトリア湖のそれを上る
種数である。マラウイ湖のシクリッドは大きく二つのグ
ループに分かれる。
マラウイ湖の水は、PH 7.7~8.6 のアルカリ性で、炭酸
塩硬度は107~142 mg L-1、また210-285 μS cm-1の伝
導度水である。湖水は一般的に暖かく、表層の水温は24
~29℃、深い部分では22℃になる。
【エピソード】
話は飛ぶが、三井物産は28日、アフリカ南東部・モザン
ビーク沖合で米石油ガス大手などと探鉱している鉱区で、
世界最大級の30兆立方フィート超の埋蔵量の天然ガスを
確認したことを明らかにした。三井物産は20%の権益を
保有。液化天然ガス(LNG)化が検討されており、日
本の年間使用量(約7千万トン)の1割弱に相当する量
が日本向けとなる計画だという。
【脚注及びリンク】
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1.「World Lakes Database entry for Lake Malawi」
2.「The Cichlid Fishes of Lake Malawi, Africa」
3.「対岸の飛び地」
4.「モザンビーク共和国」
5.「Lake Malawi National Park」
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