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死は生の対極としてではなく、
その一部として存在している。
村上春樹『ノルウェイの森』
「生誕」「結婚」「葬送」に関する特定の信
仰、信条、宗教によって、一定の形式、ルー
ルに基づいて人間が行う、日常生活の行為と
は異なる特別な行為(宗教的色彩の薄いもの
は式典と称される)の儀式から離れて個人が
生活することは不可能であるのは「死は自分
で決められない」(吉本隆明著『新・死の位
相学』)との裏腹な関係にあるともいえる。
「奥びわこ散骨プラン-メモリアルヨットク
ルーズ」をネット上で参照して、現代の式典
の流行の1つだと了解した。従って、琵琶
湖での「散骨式」は当然、その周辺の住民の
規範との衝突、調整を引き起こすことになる
から、新たなルールが生まれるのは当然なこ
と思われる。
科学的側面から「散骨」による水質汚染など
の問題が浮上すれば、京都・大阪。兵庫の流
域住民との新たなる問題として浮上するだろ
うが、景観劣化等の感性とかかわる環境的側
面にあっては微妙な問題となる(例えば「湖
畔で立ち小便を禁じる条例」などを想定すれ
ば分かり良い)。その意味で「琵琶湖での散
骨行為の是非」の議論は尽きるように思える。
【エピソード】
遺骨を宝石にできれば問題が解決するのでは
と考えネットで下調べしたところ既に行われ
ていた。このは今のところ最も合理的
かなと思わせるところがあったので掲載して
おきます。これは冶金工学などの知識があれ
ば、見栄えの是非はともかくも個人でもつく
れそうで、関係設備さえ開放されれば、つま
り、低価格化に成功すれば、今後、グローバ
ルな需要が逓増していくかもしれません。
脚注及びリンク
(1)葬礼会館 びわこメモリアルホール
(2)モリアルストーン「麗石」
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