緊迫をを安堵に変える方法。

今は明日のレースのため、静岡県は御殿場に来ています。

富士のすそ野に広がるこの場所は、とても清々しい気候が広がっています。

オープンカーやバイクで走ると、それはそれは気持ち良いのでしょう。

今日も、多くのバイクや、家族連れの車が行きかっていました。

私も自転車で少々トレーニング。道中コンビニエンスストアの駐車場に腰を下ろし、しばし休憩しているときの事です。

何処からとも無くイカツイ、バイクの重低音が。

バッバッバッバッバッバッバっっっ！

駐車場にユックリと入ってきたのは、真っ黒なハーレーダビットソン。

黒光りしたビックバイクを操るのは、これまた真っ黒な革ジャンに身を包んだ、ごっつい男。年の頃は40歳手前くらいでしょうか。

筋肉モリモリ、頭は坊主。鋭い目つきを持つ顔には黒々と髭をはやし、日に焼けた腕には何やら悪そうなタトゥーが入っています。

数人でつるんで走るバイカーが目立つ中、彼だけは一匹狼を貫き、周りを威嚇するようなオーラを出しています。

目の前にバイクを止めたれた私は、男として精一杯の意地を貫くべく、ふんぞり返って手に持つ飲み物を飲み干しました。・・・が、いかにせん飲んでいたのは甘ぁ～いコーヒー牛乳・・・。

硬い靴底から、カツカツと重苦しい音を出しながらユックリ店に入っていった彼は、おそらく、ブラックコーヒー片手に戻ってくるでしょう。食べ物はマスタードタップリのホットドックか何かでしょうか。

しかし、次の瞬間私は目を疑いました。

再び私の目の前に現れた彼の手には、大きなソフトクリームが！

それを頬張る彼の頬は、優しく膨らみをおび、目じりはホンワカ下がっているように見えます。駐車場を行ったり来たりする彼の足元から聞こえるカツカツ音に　'　～♪☆　’が見えたのは気のせいでしょうか？！むしろスキップしているような軽やかな足取りです！！

ソフトクリームを美味しそうに食べながら、孫を見るような目で愛車のハーレーをナデナデする彼・・・

　

私には漫画の一場面にしか見えませんでした。

でもズルイ！あのイカツさの後に見せる、軽やかなスキップ・・・

何も語らなくとも、回りの空気を安堵させるその後姿。

それを見ているだけで、コーヒー牛乳片手にふんぞり返った自分が恥ずかしくなりました。

そーだ！

ソフトクリーム。レース前の緊張感を和らげるのに使えますかね？

・・・怒られますかね。