靴下にはそっとオレンジを忍ばせて

南米出身の夫とアラスカで二男三女を育てる日々、書き留めておきたいこと。

母乳かフォーミュラか、より大切なもの

2011-09-21 00:04:09 | 子育てノート
過去にはフォーミュラの方が栄養的に優れているとされた時期(1950s)もあるようだけれど、今日ではthe American Academy of Pediatricsだけでなく世界的にも母乳をあげることが勧められている。

母乳には乳児の成長に必要な成分がバランスよく含まれているだけでなく、乳児を細菌やウイルスから守る抗体成分が含まれているといわれる。母乳の成分についてはまだ全て知られているわけではないらしいけれど、「調べれば調べるほどフォーミュラが母乳を複製することは不可能だと明らかになっている」(John D. Benson, Ph.D, and Mark L. Masor, Ph.D., in the March 1994 issue of Endocrine Regulations.)。

また授乳時に母親と密着することによる情緒面の発達、乳児の顎の発達、乳児自身で飲む量を調節できる、母体にとっても子宮収縮を促し産後の回復を促進する、など成分以外の利点も多々あるらしい。「とにかく栄養面なんかだけじゃないんですよ。」( “The Ultimate Breastfeeding Book” by Dr Jack Newman )

こういった知識だけでなく、感覚的にも母乳のほうがいいだろうと思っていた。乳児と同じ環境で暮らす母体で作られたできたてほやほやフレッシュをそのまま直送なのだし。

疑うことなく「よし母乳」、と決めていた。

ところが一人目が生まれ、ビュービュー溢れ出すと想像していた母乳がなかなか出ない・・・。出産のショックのなか今度は母乳ノイローゼ気味に。「私なんて病院の待合室で母乳がなかなか出ない”可愛そうな”母親に分けてあげるほど出たのよ。」「母乳がたくさん出ているのなら赤ちゃんが泣くわけがない。」訪ねて来ていた姑(優しい面もいっぱいある人です;笑)の言葉を身体に突き刺さしたままヨレヨレとひきずっている。

授乳コンサルタント(lactation consultant)なるもののカウンセリングを受けたりしながら、とにかく飲ませた。頭は乳のことでいっぱい。寝ても覚めても乳,乳、乳。

結局、体重が順調に増えているのでこのまま母乳でいっても問題ないと小児科医。それでもいつも足りないに違いないと悩んでいた。長男とにかくよくぐずって泣く。夜中に耐えられなくなり何度かフォーミュラを足そうとしたけれど哺乳瓶はもう受け付けなくなっていて。

私の精神状態、かなりおかしく。母乳への執着はもう赤ちゃんのためというよりは私の意地やプライドのためが大きかったのかもしれない。息子がよくぐずって泣いたのもそんな私の心の状態が大きかったのだろうと今になっては思う。

母乳だろうとフォーミュラだろうと、多分一番大切なのは母親がゆったりと満たされた気持ちで乳児に接することだろう。フォーミュラのディスアドバンテイジなんて母親の笑顔や温もりでいくらだってカバーできる、そう思っている。



追記: 母乳を出すにはとにかく回数をあげること。最初は長い時間かけて寝かせないようにしながらとにかくしっかりあげる。あげればあげるほど作られる。そして2人目からはよりスムーズに出るようになる。もち米、フェヌグリークなどのハーブもいい。

演じ始める前

2011-09-21 00:03:02 | 子育てノート
ふと気がつくと エルモとミニーマウスが静かにブロックで遊んでいた・・・。

エルモの三女は額に水中眼鏡もつけ、ミニーマウスのドレスは次男。

結構シュールな空間があった。(笑)


すぐ上3人が女であることもあり、次男も真似をしてこういった遊び用のドレスを着たりハイヒールを履いて遊ぶ。大好きな電車や飛行機で遊ぶのと同じように。

2歳次男の当たり前のようにドレスを着込む姿を見るたび、ジェンダーというものがいかに社会的に作られたものか、と思う。

何て自由なんだろう。

生物学的な性というものの違いは、ほんのわずかと聞く。(SCIENTIFIC AMERICAN MIND -BEHAVIOR. BRAIN SCIENCE. INSIGHTS- May/June 2010)



次男ももうすぐ「男」という役割を演じ始めるのだろう。

自身の内にある「女」を大切にしてほしい、次男を見ながらそう思っている。